古い家具が置いてあるお店を見つけるとついつい入ってしまうkobayashiです。
装飾の少ない素朴な造りの日本の家具が気になります。
引き出しは枠に収まっているだけであったり、
開き戸は開閉の軸となる金物(蝶番といいます)が外側から見えているタイプであったり。
その造りの素朴さと古びた味わいに、何とも言えない魅力を感じます。
きっと昔は今のように、蝶番も種類がなかったのと、
大量生産されたものというより、町の大工さんが
あるもので作ったりしていたのではないでしょうか?
そんなところに道具っぽいといいますか、
飾り気のない魅力があるのではないかとぼんやり考えています。
現代の家具の扉はフラットな納まりが多いのではないでしょうか?
表から見えないタイプの丁番などで工夫され、
家具が大きな面のように見える仕様になっています。
そうした仕様でも、やはり扉や引き出しなので
「どうやって開ける」または「引き出す」のか
というところがポイントになってきます。
写真の場合では指が入るスペースを設けて
扉の指のあたる部分は奥に向かって斜めに仕上げてあるので、
指が引っかかり引き出すことができます。
(手掛けといいます)
この家具の事例はこちらから
スケルトンを活かしたリノベーション:完成しましたー!
シンプルなのは取っ手をつけることです。
様々なタイプがありますが、持って引っ張れば開くことができる。
応用として穴をあけるのも一つ。
この家具の事例はこちあらから
趣味人の心を満たす仕掛けとこだわり 壁一面の本棚・土間・縁側がある家
そして写真がないのですが、プッシュラッチという金物を使う場合もあります。
テレビ台のガラスの扉をイメージしていただくと分かる方も多いのではないでしょうか?
一度押し込んでバネの反動で開いてくる扉です。
手で触るので、汚れやすい素材でこの仕様は避けた方がいいのですが、
そこがクリアできれば、平らな仕上がりが期待できます。
家具は予算の中で少なからず存在感があるので、
装飾にコストはかけづらいのですが、
機能上必要な要素自体が
ある意味で装飾と同じように美しさに貢献するには、
どんな手があるかなあと日々考えています。
古い家具に自然と惹かれてしまっているので、
そこに新しいヒントがあるといいのですが…。
(kobayashi)