本なら買っていいよ、買ってあげる・・・というのは子どもの頃の親の言葉、そういったことは大人になっても無意識に残っているもので、きっと必要なはず、本ならいいかなと自分に言い訳をして購入してしまいます。
本も増えてくると古本にだしたり、処分をするのですが、そうすると自分の本棚には自分にとって良いと思う本が残っていきます。片付けをしながら少し読んだりもするのですが、先日、建築家の清家清さんの著書「やすらぎの住居学」をめくっていると、家は人に育てられ、人は家に育てられるという一説を読みました。住人が手をかけて家を扱っていくことで家は良くなって成長していくし、住空間が良いとまた人もその所作や行動、思考も良くなっていくというようなことが書いてありました。とても良い考えだなと記憶に残りました。新しい住まいをつくられてから、家で過ごすことが多くなったり、絵や花を飾ったりするようになったことなども良くあることですね。
以前に別荘の設計に携わっていた頃、建てるまでは興味がなかったご主人が、いざ完成し使い始めると、自然の中の別荘で過ごす時間が思いのほか気に入って、多忙なお仕事のスケジュールを調整してなんとか時間をつくって毎週末に別荘へ訪れるようになったそうです。確かに、薪ストーブの火のゆらぎを眺めて過ごす時間は最高ですし、人をこんなにも変えるものか~と喜びを感じました。
住空間の変化とは、それだけ人に与える影響が大きいものだなあと改めて思います。
ちなみに、本を推奨していた親ですが、母は少々読書をしますが、父は野菜作りの園芸の本と漫画、姉弟は主に漫画という主にマンガ環境であったので、ハードカバーや様々なジャンルの本が並ぶ本棚は憧れでもあります。