リノベーションという仕事柄、
売却されたお客様が新たな住まいに移られる前に
現地調査におうかがいする機会が多いです。
そうすると
「ちゃんとした仕事をしないとな」と
気持ちを新たにさせられます。
様々な理由でその家を離れられたご家族の痕跡や、
これからその家を離れられる
売り主様ご自身の整理されている荷物に、
その方の過ごされてきた時間の重みが
物としてぎっしりと現れているので、
圧倒されてしまうからでしょうか?
それから解体をしていくと、
そこにはかつてくらしの気配はほとんどなくなり
今までの痕跡が残っているのは、
玄関のドアや、サッシ等解体後も使っていく
共用部に属するもののみとなっていきます。
リノベーションにおいて、現地調査は
色々なところから引き寄せられてつくられたもの、
住み手の方が積み重ねてきたものが一度解かれて、
もう一度相当なエネルギーを使って、
集めていくプロセスの始まりを意味します。
これから私たちが手がけさせていただく家に、
新しく幸せな時間が積み重なっていく受け皿となる事を
願ってやみません。
(kobayashi)