いきなり申し上げますと、リノベーションは「開けてみないとわからない」ということがあります。
昔の建物ですと、場合によっては竣工図がぼろぼろで読めないことや欲しい情報がないということがあります。
また、竣工図と実際の寸法が異なることもあります。
そうした事前情報が少ないときに「ここはダクトが通っているのではないか」「ここは梁があるので○○mmしか高さを上げられない」
そんな予想をしますが、実際少しは異なってしまうこともあります。
そこを最小限にとどめるのが設計者の腕の見せ所なのです。
「開けてみないとわからない」をなるべく少なくする、それが大切なことです。
それはそうと、解体されたスケルトンの状態はどのお部屋もうっとりしてしまいます。
そんな私の個人的うっとりポイントはコンクリートに書かれた文字です。
「建てられた時代の大工さんは今何歳ぐらいなのだろう」「この人の字は綺麗だな」と思ってはうっとりしています。
多くの方は、この壁にモルタル補修をした仕上げとするか、モルタル補修をして塗装をするか、
ボードを貼って塗装をしたりするので、この状態なのは短い間だけです。
こうした文字を現しにした表現も個人的にはアリです。
解体してから設計するリノベーションについて思いを巡らすこのごろです。