昨年12月には安倍政権が誕生し、今後の情勢によっては一部では住宅ローン金利が上昇するのでは、という見方が出ています。
しかし、例えばみずほ銀行の金利推移表を見ると、2009年2月頃から変動金利に全く変化がないのが分かります。
また2004年まで遡っても、途中2.875%まで上昇している時期があるものの、ほとんどの時期で、2.375%もしくは2.475%という低い数値となっています。
今後は金利はどんな動きをするのでしょうか。
現状維持?上昇でしょうか?
現在は低金利が魅力の変動金利の人気が非常に高いですので
今回は変動金利に的を絞ってお話します。
ではここで、これまでの金利動向をチェックしてみましょう。
住宅ローン金利と関係の深い、一般に「長期金利」と呼ばれる
「10年もの国債」の、最近10年間の金利の推移です。
民間の住宅ローン金利は概ね、この長期金利に連動して決まります。
見事なまでに1.5%前後をウロウロしていますよね。最も金利が高かった2006年ごろは、ライブドアなどが印象的な新興市場バブルの時です。
景気の過熱時には金利は高くなるものですが、それでも1%後半です。
この10年で長期金利は一度も2%を超えていません!
住宅ローンの変動金利に話を戻します。
国債の金利上昇が見られた2006年頃から2008年の終わり頃までは
確かに住宅ローンの変動金利においても
金利上昇が起きていますが、最高でも2.875%。
現状より0.4%高いのみにとどまっていました。(みずほ銀行の場合)
実は、住宅ローンの変動金利と関係の深い短期金利は、
日銀が「ゼロ金利政策」を復活させたことにより、
完全に低く抑えられています。
この「ゼロ金利政策」はデフレの状態が
払拭されるまで続けられるようですので、今後日本経済が
大きく持ち直し、インフレの状態にならない限りは
変動金利が大きく上昇する可能性は低そうです。
自公政権による積極的な経済政策への期待により
昨年末から年始にかけて株価の上昇が見られました。
このまま順調に株価が上昇すれば、もちろん金利上昇も見込まれます。
しかし前述の通り、「10年もの国債」の動向を見る限り、
2006年ごろの新興市場バブルの時でも
大きな金利上昇は見られていないのです。
もし一時的に景気が回復したとしても、
2006年ごろ同様、大きな金利上昇の可能性は低いと言って良さそうですよ。