壁式構造を逆手に取って。

壁式構造を逆手に取って。

本日は工事真っ最中であるN様邸@山手の現場のお話。

こうやって人が立っている写真をみると、この住宅の天井高さの異様さが分かり易いですね。

そして、キッチンの排気ダクト。

これもこのままの予定です。

こちらがダイニングからバルコニーを見た様子。

いままでお話していませんでしたが、実はここからの眺望がとても魅力的なのです。

遮るものが一切なく、緑一杯の眺望。

なので、廊下とダイニングの間の扉を開けるとこの眺望が一気に広がるわけです。

こんな感じす。

ですので、この眺望に対して出来るだけ余計なものが見えないように窓まわりをシンプルに納めた設計にしています。

こちらが玄関から通路の様子。

奥に見えるのがダイニングへの入り口です。

このあたりは最終的にこんなかんじになります。

白い壁に付けられるラーチ合板の家具・建具がポイント。

さて、この物件を初めてみたときから実は自分の中で大事にしようと考えていたことがあります。

それは「壁式構造であることを活かしたい」ということです。

リノベーションにおいて壁式構造のマンションというのは、とても敬遠されがちで自由度が少ない。と言われています。

これはごもっともな話で、プランニングする上でとても邪魔になることがあります。

でも、個人的には、壁式構造ならではの「躯体に空けられた孔」というのがとても好きなのです。

「躯体に空けられた孔」というのは何かというと、こちら。

もしくはこちら。

「躯体に空けられた孔」というのが何となく分かると思います。

壁式構造と聞くと、壁を沢山立てて部屋と部屋を区切っているだけ。と思われがちです。

でも本当は、「壁を沢山立てて、部屋と部屋をで塞いだ後に孔を開けて繋げている」というのが正解だと思っています。

ですので、この孔を大事にして、デザインに活かそうと云う訳です。

良くないと思われがちな壁式構造の特徴を逆手にとろうと。

あるところでは、そこに孔があった痕跡を残して壁を立てたり、

あることろでは、壁と扉の面をズラして付けることで、孔に余計な細工をしなかったりと。

この孔を正直に見せたい。

こんな事を考えていた、初期のスケッチがこちら。

ほぼこのまま進んでいますので、とっても楽しみです。

ちなみに、壁式構造、こちらコスト的にもメリットはあります。

ズバリ、壁を建てる金額がラーメン構造(柱・梁構造)よりも少ないからです。

ですので、間取りを劇的に変えることは出来ないデメリットがある分、コスト的なメリットはあると思っています。

最後に、壁式構造、柱と梁が無いと思われがちですが、間違いです。

正確には柱が無いだけで、梁はあります。

(躯体スラブを普通よりも厚くするなど、工夫している場合はないこともありますが。。)

ですので、内見に行かれる方、ご注意ください。

壁式構造なのに梁があってもおかしくありません。

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