こんにちは。okadaです。
本日は、N様邸@山手のレポート最終回。
これまでのレポートはこちら。
N様邸がご購入されたマンションは、壁式構造のマンション。
リノベーションにおいて、間取りの変更が殆どできないと言われている壁式構造。
そこで、以前のブログにも書いたように、壁式構造がもつ「壁を立てた後に、部屋と部屋を繋げるために設けられた孔」
という特徴を大事にすれば、敬遠されることの多い壁式構造もよいものに見えてくると考えたわけです。
さて、それではこの特徴を、どう大事に扱ったかということです。
この写真はリノベーション前の様子。
奥が和室で部屋を区切るために襖が入っています。
こ襖の部分が「部屋と部屋を繋げるために設けられた孔」になります。
そしてこちらがリノベーション後。
元々の「部屋と部屋を繋げるために設けられた孔」を復元しました。
おそらく、このマンションを施工している時以来の姿になると思います。
違うアングルを見てみます。
左側にキッチンに入る開口、右側は廊下につながる開口。
この2つの孔も同じように「部屋と部屋を繋げるために設けられた孔」です。
そしてこちらがリノベーション後。
全く別物に見えますが、同じ部屋です。
ハリボテのようにペタペタ貼られていた仕上げを剥いで、元々の躯体の壁を現しに。
そして、じつは、この右側の扉がポイント。
この扉、実は壁との面をズラして取り付いています。
アウトセット建具と呼ばれます。
この取り付け方、普通では絶対にやりません。というかやれません。
それでも、このように壁との面をズラしたかった理由は、
「部屋と部屋を繋げるために設けられた孔」を大事にしたかったから。
この孔に通常だと必ず出てきてしまう建具枠すら付けたくなかったのです。
そして、付け加えると、閉まっている時に扉以外の余計な物が見えなくしたかったのです。
ということで、この特殊な納まりをアレコレ考えて施工して頂きました。
こんな感じで、N様邸オリジナル建具を考えました。
この「部屋と部屋を繋げるために設けられた孔」を大事にするという考えは、
至る所で見られます。
こんな風に、やはり扉の取りつき方が普通じゃないのです。
改めて見ると、取手も見えないので、扉かどうかも怪しいくらいに感じてきます。
ということで、N様邸は壁式構造が持つ特徴の「部屋と部屋を繋げるために設けられた孔」
を様々なところで大事にして、完成したわけです。
最後に、フローリングは少し味の出ているアンティーク調のフローリングを使っています。
このアンティーク具合が予想以上にアンティーク。
住宅の床というよりも店舗のような、下足でドカドカ上がって使い古された感が。
なかなかオススメのフローリングでした。
++追記++
N様邸のリノベーション後の暮らしを取材レポートした記事を公開しました!
新築選びは妥協の連続?リノベーションで納得できる住まいづくり
(okada)