さて、4つめとなるH様邸@鷺沼の詳細レポート。
H様邸@鷺沼を設計しているときに、考えていた事。
「シンプル」で「各部屋が緩やかにつながった一つの空間」の中で、「外の緑」を感じながら豊かに過ごす。
これに尽きます。
実は、これまで紹介してきた3つのレポートというのは、この考えていた事に原則乗っ取って設計しています。
迷ったときはこれに立ち戻ったりして、目指している方向がブレていないかを確認しながら。
さて、今回はその中でも、「シンプル」に関するお話。
「シンプル」で考えた事。
それは、普通あるもの・見えてくるものを無いように見せました。
例えばこちら。
洗面・トイレと廊下の引き戸の扉です。
取手金物がありません。
さらに言うと、鍵がかかっているかを示す表示錠と呼ばれるものも付いていません。
取手金物がなくても彫り込んでしまえば引く事は出来ます。
金物が無くても使えます。
表示錠に関しても、要らないと判断しています。
鍵がかかっていれば開かないし、かかっていなければ開く。それで十分。
言葉にするのは簡単ですが、これを実現する為には色々工夫しなければなりません。
まぁ、どのように工夫したかは秘密です。
ポイントは、彫り込んだ部分も表面材と同材である事と、引手の下に小さい穴が開いている事。
「シンプル」と言えばこちらも。
窓周りの写真です。
今お住まいの家をご覧頂ければ分かりますが、窓周りには実は色んなモノが出てくるのが普通です。
でもこれはそれらが見えない様に工夫しています。
枠が無く、カーテンレール・ブラインドの類いも見えない様にしています。
色々見えていたものを見えない様に工夫する事で、より「外の緑」をダイレクトに感じて貰えると考えました。
と、ざっとお見せしましたが、「シンプル」と言うのは簡単ですが、それを実現する為には、色々考えないといけないし、工事も気を使ってもらう必要があるんです。
簡単そうに見えて難しい。
さて次回は「緩やかなつながり」に関してのお話。