【都心派vs郊外派 リノベ対談】を全4回でお届けしています。
最終回の第4回では、リノベーション向け不動産のプロフェッショナルでもあるお2人に、
理想の暮らしを実現するための物件探しのコツについて教えてもらいました。
Index
第1回 【都心派vs郊外派 リノベ対談 第1回】都心暮らしのメリット
第2回 【都心派vs郊外派 リノベ対談 第2回】郊外暮らしの心地よさ
第3回 【都心派vs郊外派 リノベ対談 第3回】物件探しでこだわったポイント、妥協したポイント
第4回 【都心派vs郊外派 リノベ対談 第4回】☆今読んでいる記事☆
第4回 重要なことはどういう生き方、暮らし方をしたいか
物件探しが上手くいくコツとは
——お二人にお聞きしたかったことがあります。物件探しが上手くいく人、いかない人の共通点は何でしょうか?
天井:上手くいかない人の共通点は、細かすぎる、決めすぎているという人。希望条件だけで物件を探している人はいつまでたっても決められないように思います。
谷島:確かに。
天井:物件を探すこちら側としても、お客さまの希望条件だけで物件を探すのはなかなか困難です。物件の最後の決め手は本人の感性になってくるので。100%希望条件を満たしているけどその物件がそのお客さんにとって良いかといったらそうでもない場合があるんですね。
——逆に本人の希望条件とずれていても、ココ良いかもと思うところが出てくる場合がありますものね。
谷島:必ずL字のバルコニーじゃなくちゃいけない、ゴミ捨て場はココじゃなくちゃいけない、共用廊下は内廊下じゃないといけない、と細かく細かく決めている方もいるけど、そんな条件よりももっと大事にすべきことがあるんじゃないかということです。
天井:そうなんです。
——お客様自身が言語化できていない、自分の無意識の暮らしへの想いを深堀していくのも大事な要素かもしれないですね。
谷島:私自身、若いスタッフがお客様の希望条件に基づいて物件を探していたら、それだけじゃなくて、ちょっと条件から外れていても「そのお客様には合うんじゃないか」と感じれば提案すればいい、と伝えているかな。
——確かに谷島さんからはよく言われますね(笑)
天井:あるお客様のお話なんですが、物件探しの際にコーディネーターからそのお客様に大規模マンションの物件をご紹介したんですね。そのお客様の反応としては「私の暮らしには大規模マンションは合わないと思います」というものだったんです。一方のコーディネーターはそのマンションがそのお客様の暮らしにピッタリなのではないかという想いがあったので、「お客様にとってそのエリアがなぜオススメなのか」「大規模マンションの利点はどういったものなのか」について、詳しくご説明したところ、「そこまで言って頂けるなら」と内見に来て頂けたんです。そして内見した際に、物件をとても気に入って頂けて、購入・リノベーションをして、今も快適に住まわれています。なので、最終的にどういったエリアのどういった物件に住むのかは、お客様ご自身でもわからないことが多々あるんですよね。
谷島:清澄白河の物件を購入してリノベーションしたお客様も、元々は、登山が趣味で高尾山近くの物件を探していたのを、エリアを変えたくらいですから。
——そこが大事な点なように思いました。普段僕たちスタッフは、REINSという物件の検索サイトを使いながら物件を探す場合が多いので、そこでは何千万円以下、何平米以上という検索条件に基づいて探しています。なのでお客さんの希望条件に沿って探している方が楽だと考えがちなんですよね(笑)
谷島:でも「このお客様ならば条件からズレるけど、こういう暮らしが実現できそうだから良いんじゃないか」と想像しながら探す方が面白くないですか?「このお客さんにはひょっとしたらこっちの暮らし方がいいんじゃないかな?」とか。でも実際受け入れてくれるかは別ですが(笑)まずはお客さんの想いをしっかり把握することが前提条件になりますけどね。
——肝に銘じます!
重要なのはどういう生き方、暮らし方をしたいかを想像すること
——物件探しの上で、条件でガチガチに決めていかないというのはわかりましたが、逆に何を決めた上で相談に来た方がいい、とお考えですか?
天井:どういう暮らしがしたいか、というのはしっかり持ってから家探し、家作りをしていった方がいいかなと思います。
——例えば朝起きた時に窓から海を眺めたいとかですか?
天井:ざっくりいうとそうですね(笑)ルーフバルコニーで朝食をとりたいとか、山の景色を見ながら過ごしたいとか、そういう自分の気持ちを確認しておくのが大事ですね。
谷島:私なんか自転車通勤をしたい、というのがあったかな(笑)
——例えばマンションをでてから、駅までの通勤は街の賑やかさを感じながら歩きたいという、周辺環境への想いもありそうですよね。
谷島:中野の中心部にあるマンションを買ったお客様も、最初は予算が決まっているから、それに基づいて、エリアを決めながら探しても全然ヒットしなくて。その上で改めて想いを紐解いていくと、今まで慣れ親しんだ商店街のなかで、ふれあいを感じながら過ごしたいという想いがあって、その結果、中野のマンションを買われることになりました。
天井:最初はその物件については迷われていたんですよね。
谷島:迷われていた点としては月々のランニングコスト少し高額であるといった点だったと思います。それでも最終的には、その点を超えるくらいの良さを物件に見いだすことができたことが物件購入のポイントだったのかなと思います。
(※参考事例:商店街の真ん中に住もうブロードウェイでワインを楽しむ暮らし)
——どういう暮らし方をしたいというのがなかなか言語化しにくい部分であるかと思うんですけど、それを言語化していければ、思わぬエリアの思わぬマンションを購入するかもしれない。ある意味宝探しみたいなものですね。
谷島:もちろん一人で探すのもいいけど、色んなエリアを知っているEcoDecoのスタッフに頼りながら探すことで、自分が思っている条件だけでは見えてこない、別の物件が出てくるかもしれない。そういう意味で上手に活用してほしいなと思っています。
——どういう生き方、暮らし方を追求していくかの先に、どの場所にどういう形で住みたいかが見えてくるのかもしれないですね。
谷島:そんな色んな人の暮らし、色んな人の心地よさに寄り添って書いているのが「中古を買って、リノベーション。」です。
——暮らし方、生き方を追求できる暮らしの器であるマンション選び、リノベーションの方法を客観的に見れる本ですよね。
谷島:そうはいっても、不動産は金融の側面も強いので、そこをシビアに考えるという視点も大事。ローンの賢い組み方なども含めて書かれているので、おすすめの本です!
——ありがとうございました!
おわりに
以上、【都心派vs郊外派 リノベ対談】をお送りしてきました。
この特集が、今物件探しをされている方にとって、ご参考になるようであれば嬉しく思います。
最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。
※弊社代表の谷島の著書、「 ビギナーのための賢い家のつくり方 中古を買って、リノベーション。」ではリノベーションを前提とした物件探しの注意点から、ローンの組み方、リノベーションの注意点まで詳しく書かれています。今回のインタビューを構成している過程でも、谷島の本を参考にさせて頂きました。リノベーションへの想いや、団地リノベの注意点も書かれています。おすすめです。