秀和の細かいパーツを観察するシリーズ第三弾。
今回は、「秀和レジデンスの塔屋」にスポットを当てます。
「塔屋」とは、ビルやマンションなど、高層建築物の屋上に見られる、塔状に突き出して造られた部分の事を指します。
主に階段室やエレベーターの機械室、倉庫、高架水槽などに使用される事が多いようです。
秀和レジデンスvol.2にて、秀和レジデンスの屋根の色には触れたのですが、今回は塔屋だけに絞って観察してみましょう。
塔屋のかたち
屋上にある塔屋は、近付きすぎると見えなくなってしまいます。
少し離れて見るのが、塔屋を観察するコツです。
「帽子型」


秀和レジデンスの塔屋といえば、この形を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。
帽子をかぶったような形の塔屋です。
「給水タンクと階段」

塔屋の上に給水タンクが見えています。秀和の給水タンクはベージュ色のものが多く、タンクが水色のものは珍しいです。
屋根の青色に合わせてこの色にしたのかもしれませんね。
機械室があるのでしょうか。入るための階段とドアも見えます。

こちらも給水タンクがしっかり見えています。
第1八王子レジデンスと同様に階段も見えますが、こちらは塔屋の中ではなく、上に上がれるもののようです。
「配管を隠す」

塔屋の横に、小さな屋根を持つ細長い箱がくっついているように見えます。
おそらく、塔屋の中に隠れている給水タンクからの給水管を隠すために作られたものだと思います。

こちらも同じような形ですが、給水管を隠している部分に、レンガ調のタイルが貼ってあります。
第2自由が丘レジデンスのものよりも大きいので、もしかしたら他の配管や配線も通っているのかもしれません。
「配管が見える」

先ほどの、配管を隠している秀和とは対照的に、しっかり配管が見えています。

塔屋が小さめの東四ツ木レジデンス。左側に配管が見えますね。
ここからは、機能ではなく、見た目で種類を分けて行きます。
「一つ目」

塔屋に対して大きめの窓を持つ蒲田レジデンス。
窓が目のように見えてきませんか?

首がすっと長い、新川レジデンス。
こちらは伏し目がちです。

並んで建つ、一つ目の兄弟レジデンス。
目が小さめで、シャープな印象です。
「二つ目」

ぱっちりと開いた二つの目。藤子・F・不二雄のキャラクターに似ていますね。
小さな二つの換気塔を従える姿は、なんだか凛々しいです。

ウインクしているみたい。右目は窓ではなく、換気口です。

窓の上のひさしが、白いまつげの様です。給水タンクの帽子もかぶって、おしゃれな塔屋です。
「小さめ」

帽子に見える部分が、ちょこんと乗っているように見えます。ベレー帽タイプですね。

帽子の部分が小さめなので、給水タンクの大部分が見えています。

こちらは小さすぎて、給水タンクと別々になっています。
階段のような形状なのは、なぜなのでしょうか?
「きのこ型」

正面から見ると、きのこのような形の塔屋。
給水タンクが見当たりません。中にすっぽり隠れているみたいです。

こちらは一つ目窓があるタイプ。給水タンクは上に乗っかっていますね。
斜め横から見ると、髪の毛にも見えてきます。
最後に、細かい部分にこだわりが見られる塔屋を見て行きましょう。

帽子型ではなく、二枚の板で真ん中の部分を挟んでいるタイプのもの。
塔屋というよりも、おしゃれなペントハウス(屋上家屋)のようです。

塔屋の四隅に少し隙間があり、その部分まで丁寧にモルタルが塗られ、模様が付けられています。
窓にはしっかりとアイアンの柵が付いていて、秀和レジデンスの青い屋根、白い塗り壁、鉄製のバルコニーという、3つの特徴を全て含んでいる塔屋なのです。

窓の上部がアールになっていて、鳩時計のようです。
今にも鳩が飛び出して来そう!

鳥箱のような小さくてかわいい換気塔が、塔屋よりも上に伸びていて、存在を主張しています。

半円の模様が、笑っている二人の人のように見えますね!
見ていると、こちらも楽しくなってきます。

帽子の下の壁に、お花のモチーフがあり、横の塔の上部にも波の模様があって、とても凝った作りです。
数ある秀和レジデンスの中でも、とびきりかわいらしい塔屋だと思います。
塔屋にも、様々な形、こだわりが見られました。
ビルやマンションが密集している場所に建っている秀和だと、なかなかうまく塔屋が見えないのですが、周囲を探索して、ばっちり見えるスポットを探すのもまた、楽しみの一つです。
少し遠くからの秀和観察も、ぜひしてみて下さいね。