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EcoDecoで設計兼リノベーションコーディネーターを務めるokanoです。リノベーション向きの物件探しから設計までをトータルで担当しています。 みなさんが物件探しをするとき、必ず目にするマンション販売図面。EcoDecoのようにリノベーションを前提とした物件探しの専門仲介会社は、その販売図面から「リノベーションでできること」「できないこと」を読み解きながらご紹介しているんです。同じように、これからリノベーションをされる方にも読み解く力を身につけていただけたら!と思い、これから19回に渡って物件を読むコツを伝授していきます。今回は6回目です。
今回取り上げたのは、私が設計を担当したK様邸@中目黒のリノベーション事例です。
“投資”と考えた都心リノベ 41㎡でカフェのようなリノベーション空間|リノベーション事例
バイタリティ溢れるK様ご夫妻が求めたのは広さよりも投資価値のある都心でのリノベーション。将来の売却を見据えながらも溜め込んだ想いを実現させたリノベーションはカフェのような賑やかで暖かみのある雰囲気に満ちあふれていました。
では、「販売図面」を見てみましょう。
販売図面には全てがリノベに関わる重要な事が全て載っている訳ではありませんが、 分かる事もたくさんあります。それが何かと言いますと…
(1)中央のクローゼット北側に「PSがある」 →ここにキッチンの排水管が通っているのだろうなと分かります。
(2)トイレとお風呂は「PS」の反対側にある →床下を通って北側のPSに繋がっているか、他のPSが隠れているのだろうなと 予測できます。
(3)図面上の柱と下の柱をつなぐ「梁」がありそうだ →換気ダクトを計画するときに気をつけないといけないなと心しておきます。
その結果はこうなります。
この情報をもとに内見したところ、現状はこうでした↓
キッチンです。このタイルの向こうにPSがあるのです。 キッチンにあった窓から顔を出して外壁を見てみると、ダクトの出口を発見
これは外から確認することもできます。
そして、脱衣室。ここは洗濯機置き場になっていて、洗面はお風呂の中に…。洗面はお風呂の外に出したいですよね〜。
続いて、トイレ。後ろを覗き込むと汚水排水が壁につながっているのを確認!この壁の裏に何かありそうだ、と分かります。
この物件は床がカーペットだったのですが、歩いてみると床が堅い!
この下に空洞がない事がわかります。(直床というヤツです)
▼カーペットの下は躯体でした。
後日、カーペットを剥がしてみると、モルタルの床が出てきました。 これだと、洗面とお風呂の排水は北側にあるPSにつながっていないなーと判断できます。
『竣工図』を確認したところ、やはりトイレは壁の後ろに汚水用のPSが隠れていました。そして、お風呂と洗濯機の排水は隣の部屋にあるPSに接続されていることが分かりました。
販売図面は分かりやすくするために簡略化されていますので、 載っていない重要な事は多いです。
▼左/販売図面 右/実際はトイレの後ろ側にPSがありました
この隠れた情報は実際に内見しないと分からない事ですが、詳しい事は「竣工図」でないと分かりません。 でも、こんな事が隠されていると知っているかどうかで内見時の見方は変わってきますので、コツとして知っておいて下さい。
また、これを把握しておかないとどんなプランが可能なのか判断できないので、設計としてはとても重要なのです。(接続の向きから、この物件は現状と同じ向きにしないとトイレが設置できないと分かりました。) 我々はそのような情報をもとに設計を進めていくのです。解体したらできませんでした…とならないように! 解体した現場はこのような状況でした。(竣工図どおり!)
さて、これがどうなったかはリノベーション事例をご覧頂ければと思いますが、次回は、その裏で設備がどうなっているか?をご紹介したいと思います。
▷vol.7:K様邸@中目黒の場合どうだったか?(その2)
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