# フローリング # フローリング選び # リノベーション # 床 # 床材 # 床材選び
リノベーションをお考えの方がおっしゃることの一つに、新築の物件の内装のペラペラ、ピカピカした感じが苦手で…という方が多いんです。特に直に触れるので、フローリングの素材感も大切にしたいというお声、よくいただきます。
実は賃貸や新築マンションで多く採用されているピカピカしたフローリングは、木の自然な伸縮を止めているため、寸法が安定していて、床が鳴ったりするリスクが低いなど、何千何万と均質な住戸を供給する上では合理的な選択とも言えます。でもそれではちょっともの足りない…、とお考えの方はフローリングの選択肢ちょっと整理してみましょう。
基本的には好みで決めていただいて問題ありません。とはいえこれまで触れてきたもの以外もご覧になりたい、実物に触れてみたいと思った方は、メーカーのショールームを訪れてみてください。
オススメは多くの樹種を揃えた複数のフローリングメーカーのショールームを一度に見ることができる、新宿のLiving Design Center OZONEです。 その際には、
の好みの方向性を絞り込んでみてください。設計をどこかの会社に依頼している場合は、全体の方向性にあったものを設計の方が提案してくださると思いますので、その方に聞いて見るのも一つです。あとは床暖房や遮音性能など性能側の制約との兼ね合いもありますが、そこはまた別の記事でご紹介させていただきます。
フローリングには大きく分けて3種類の組成のものがあります。だいたい15mmほどの厚みのものが多いのですが、木をそのまま使った無垢のものと表面に特定の樹種を貼った積層のタイプと短い無垢の木片を縦方向につなげていったユニというタイプの3種類です。
▷上から1-2枚目が無垢のもの。3-4枚めは積層タイプ。一番上がヘリンボーン用のフローリング(幅は60mm)で、一番下のものは幅広のフローリングで250mmほどと幅も様々です。材質は全てオーク
▷ユニフローリングのサンプル。無垢の材を長手方向についでいるため継目が出てくる
お客様にご説明すると、積層のものは賃貸の時に表面の木がペラペラ剥がれてきてすごく嫌な思いをされたと敬遠される方もいらっしゃいます。実際のところ費用感的には無垢>積層タイプ・ユニタイプといったイメージなのですが、賃貸などで使われるフローリングは特に表面がすごく薄いものである場合があります。一方でEcoDecoのお客様が採用される積層タイプは表面の木が5mm前後はあるものです。この厚みがあれば傷がついたり汚れたりしたら削れるくらいの厚みなので、とてもペラペラしてくるものではありません。また積層タイプは木の繊維をクロスされて作られているので反りも出にくく、床暖房を検討される方には特に有効な選択肢と言えると思います。ただし段差の部分など断面の部分が見えて来る場合は、意匠的な処理が必要になる場合もありますのでご注意ください。
検討されているフローリングの色味が濃色のものであれば広葉樹のうち木の肌自体が元々濃色のタイプ、ウォルナットやチークなど、あるいは淡色のものを染色したものかもしれません。淡色であればその木を触ってみて、柔らかく温かみのある印象であればパインやスギなどの針葉樹系の材、硬質な印象であればオークやアッシュなどかもしれません。広葉樹のフローリングは硬いため土足のまま床の上を歩く西洋の暮らしにぴったりだったので、印象は「洋」のイメージがあり、テーブルとイスの組み合わせやソファなどが中心のLDKにしっくりきます。程度によりますが傷もダメージというより味わいの一部になってくれますので、おもちゃなどで傷つくことを心配される子育て世代にも人気の樹種ですので、EcoDecoのお客様は広葉樹を選ばれる方が多いように思えます。
樹種 | 広葉樹 | 針葉樹 | |
色味 | 淡色系 | 濃色系 | 淡色系 |
特徴 | 比較的硬い傾向 | 硬い傾向 | 比較的柔らかい傾向。温かみがあるが、傷つきやすい側面もある |
名称 | オーク、バーチ、アッシュなど | ウォルナット、チーク、サクラなど | スギ、パインなど |
ここではEcoDecoの事例の中で使われているフローリングをみてみましょう。それぞれの事例ページには他の視点からのカットも出ているので、気になる方はご覧ください。
この事例のフローリングの分類
組成 | 樹種 | 塗装 | 張り方 |
積層タイプ | オーク | オイル | 乱尺張り |
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この事例のフローリングの分類
組成 | 樹種 | 塗装 | 張り方 |
積層タイプ | ウォルナット | オイル | 乱尺張り |
木の肌自体が元々濃色のため、オイル塗装などで濡れ色になると独特の深い色味が人気です。
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この事例のフローリングの分類
組成 | 樹種 | 塗装 | 張り方 |
無垢 | パイン | オイル | 乱尺張り |
針葉樹特有の空気感のある柔らかな足触りが心地よいです。
続いてフローリングの塗装について。大きく分けると「がっつり塗膜系」と「木肌重視系」に分類できます。名前からイメージしていただけるかと思いますが、「がっつり塗膜系」はしっかり木の表面に樹脂などで膜を作ることで、水分や汚れにくくしようという考え方。「木肌重視系」は木の凹凸感を殺さないように、できるだけ薄い膜で木を保護しようという考え方です。
汚れにくさはやはり塗膜の厚みのおかげでそもそも木にたどり着いて定着することが難しくなるので、「がっつり塗膜系」が有利です。しかしこの「がっつり塗膜系」、部分的な補修が難しいという点があります。均質に吹き付けて膜がしっかりしている分、「あ、ここ直したな」というのがわかり易いんです。
この汚れに対する考え方としましては、木を隠すなら森の中、と言いますか、「汚れや傷が周りにいっぱいあれば目立たない!」いわゆる「味がある」状態を目指す方向性が、「木肌重視系」の考え方かと思います。もっとも十分な肉厚の材のフローリングであれば、汚れてしまった箇所をヤスリがけして、再び同じ塗料を塗ってあげればなじむので、メンテナンスのし易さも「木肌重視系」の魅力と言えそうです。
がっつり塗膜系 | |
ウレタン塗装 | 名前の通りウレタンで塗膜を作るもの |
UV塗装 | UV(紫外線)によって塗膜を硬化乾燥させたもの。塗膜が強く土足で歩くような場所に使われる製品もあります。 |
木肌重視系 | |
オイル塗装 | 油性の塗料を染み込ませたフローリング。採用されたお客さまの件数はもっとも多いかもしれません。 |
石鹸塗装 (ソープフィニッシュ) | オイル塗装は透明な塗料であっても「濡れ色」と言って木を濡らした時のような色味になり、 もっと木のドライな表情を活かしたい!という方にオススメしている塗料です。 |
蜜蝋 | 純粋に蜜蝋だけだと塊なので、塗りやすい柔らかさにするためにエゴマなどのオイルが入っていたりする場合もあります。仕上がりの感覚としては、オイル塗装に近いと言えるかもしれません。 |
この事例のフローリングの分類
組成 | 樹種 | 塗装 | 張り方 |
ユニ | オーク | UV塗装 | 乱尺張り |
この事例のフローリングの分類
組成 | 樹種 | 塗装 | 張り方 |
積層タイプ | オーク | クリアオイル | 乱尺張り |
この事例のフローリングの分類
組成 | 樹種 | 塗装 | 張り方 |
積層タイプ | オーク | 染色オイル | 乱尺張り |
↑染料を混ぜたオイル塗料で染めることもできます。こちらの写真のフローリングの基材はオークなので、一つ上の写真と同じ素材をこのように染めています。
この事例のフローリングの分類
組成 | 樹種 | 塗装 | 張り方 |
無垢 | オーク | ソープフィニッシュ | 乱尺張り |
使用感としては以下のコメントをいただいております。経年の味が楽しみではありますが、好みの別れるところかもしれません。
やはり洗面所近くなどのフローリングには水滴のシミなどが付きますよ、私たちの感覚では問題ないのですが。-Tさま
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この事例のフローリングの分類
組成 | 樹種 | 塗装 | 張り方 |
無垢 | ミモザ | 蜜蝋 | 乱尺張り |
一般的な張り方と言えば「乱尺張り」と呼ばれる、少しづつずらしながら張られる張り方。特に無垢フローリングでは素材自体の長さもまちまちだったりするので、理にかなった張り方です。もう一つ有名な張り方としては「ヘリンボーン」と言われる張り方です。ヘリン(ニシン)の骨のように並んでいるのでこの名前がついています。独特のレトロ感があって魅力的です。あまり名前は有名ではないかもしれませんが同じ長さの材を組み合わせて貼っていくので、常に一定の位置に継ぎが来る「りゃんこ張り」といったすごく整然とした張り方なんていうのもあるんですよ。是非色々な張り方を検討してみてください。
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この事例のフローリングの分類
組成 | 樹種 | 塗装 | 張り方 |
無垢 | パイン | 染色オイル | 乱尺張り |
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この事例のフローリングの分類
組成 | 樹種 | 塗装 | 張り方 |
無垢 | ウォルナット | クリアオイル | ヘリンボーン |
この事例のフローリングの分類
組成 | 樹種 | 塗装 | 張り方 |
積層タイプ | オーク | クリアオイル | りゃんこ張り |
フローリングの4つの要素、
をみていただきましたがいかがでしたか?街を歩いていて意識してみると、内装に凝ったお店は木のフローリングを採用しているお店も結構あります。そんな時は樹種や仕上げ張り方など、ご自身の住まいづくりの参考にちょっと観察してみてくださいね。
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