中古マンション探しの裏技!物件を読むコツ教えます

vol.17:逆スラブとUBのこと

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vol.17:逆スラブとUBのこと

EcoDecoで設計兼リノベーションコーディネーターを務めるokanoです。リノベーション向きの物件探しから設計までをトータルで担当しています。 みなさんが物件探しをするとき、必ず目にするマンション販売図面。EcoDecoのようにリノベーションを前提とした物件探しの専門仲介会社は、その販売図面から「リノベーションでできること」「できないこと」を読み解きながらご紹介しているんです。同じように、これからリノベーションをされる方にも読み解く力を身につけていただけたら!と思い、これから19回に渡って物件を読むコツを伝授していきます。今回は17回目です。


物件を読むコツ

物件を読むコツ教えます|EcoDecoスタッフblog
初めから読む方はこちらから。販売図面から読み解くリノベでできること・できないことをポイント毎に伝授。全19回です。

今回のテーマは続・床

以前、物件を読むコツシリーズvol.12で床のことを書きましたが、今回はその続編。床の「逆スラブ」というものと、UBと梁の関係に関してです。「逆スラブ」とは何かと言いますと、マンションのコンクリートの床面が“下がっている”という状態のことです。

床の組み方として、スラブに直接仕上げ材を貼る「直床」と、一度床組をして、床下空間を設けた「二重床」の二種類あるという説明は前回した通りで、直床の場合は床下空間がない=配管がスペースがない、という状態と言えます。

マンションの場合、室内の天井を高くするためには直床/直天井にするのが一番効率的なのですが、リノベーションの際に水廻り(お風呂やキッチンなど)を移設する場合は、排水経路を確保するために床を上げる必要があったりします。
※こちらは物件を読むコツシリーズvol.12をご参照下さい。

室内の天井高は高くしたい、でも、床下に排水経路も確保してバリアフリーに対応したい!という場合に、今回の「逆スラブ」が登場するのです。



逆スラブは床のコンクリート面が下がっている状態のことなのですが、それを部分的に(水廻りエリアのみ)行うことで、先ほどの天井高さとバリアフリーの2点を上手く解消しているのです。上の画像は、EcoDecoのリノベ事例の解体後の画像です。直床/直天井の物件だったのですが、お風呂&トイレのエリアのみコンクリートが下がっていて、その部分のみ床下に配管スペースが確保されていました。こちらは昭和57年築のマンションですが、最近現地調査した平成11年築のマンションも同じことになっていて、浴室が洗面からフラットにつながって段差がない状態でした。

※バリアフリーという言葉ができた頃から、この手法のマンションは増えているのではないでしょうか。



竣工図面を確認すると、浴室部分のみ斜線が書かれていて、床の仕上げ面から190mm下げていることがわかります。


竣工図に断面の詳細図面もあったのですが、赤線のFL(床の仕上げ面)との関係性が分かると思います。


先ほどの平面に色を付けて分かりやすくすると、こんな感じです。梁と梁で区切られた一部(黄色のエリア)が「逆スラブ」です。


既存図面ではこんな感じです。緑の斜線部分が「逆スラブ」で浴室と洗面脱衣室エリアの部分であることが分かります。

では、このような物件の場合、リノベーションを行う時には何がポイントになるのか!?

UB(ユニットバス)には床下のスペースが必要で、設置した際に浴室内の床はコンクリートスラブから約190〜200mmくらい高い位置になります。これをフラットにして、段差のないバリアフリー設計とするために、逆スラブが効果的なのです。(真ん中のUB)

では、リノベーションでUBの位置を変更する場合はというと…

<右側のUB> このように梁を避けた位置に変更することは可能です。ただ、この場合は浴室入り口部分に段差が生じてしまい、バリアフリーではなくなってしまうため、またいで浴室に入ることになります。

<左側のUB> このように浴室の上部に梁がくる位置にUBを設置することはできないです。UBの上部には換気扇の本体があったり、ダクト管を通したりする必要があるため、赤線の位置がUBの設置に必要な高さとなっています。梁欠き加工はできるのですが、真上に梁がくる場合のオプションはないので、このような位置にUBをもってくる計画はできないのです。

位置を大きく動かすと、リビング側や寝室側が狭くなってしまうので、ちょっとだけ動かしたい!という場合もあるかと思いますが、梁との絡みがあるので…というケースもあるんです。

いかがでしたか?

平面だけ見ていろいろと夢を膨らませるのは要注意ですよ! さて、次回はリノベーションの課題の一つ、トイレの位置変更について2回に渡ってレクチャーします。

vol.18:トイレの動かし方(1)どうぞ。

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