ファミリー/71〜80㎡
住まいにトキメキを求めて始まったリノベーション。O様の生活を見つめ直していった所、大切な事は間取りを大幅に変える事ではなく、造り付ける家具や照明、取手といった「部分」を中心に作り込む事で、O様にフィットする住まいに整えることでした。
2014.06 お施主様からいただいた画像を公開しました。
—— リノベーションしようと思ったきっかけは何だったのでしょうか?
奥様:リノベーションという言葉自体は昔から知っていました。でも、実際にリノベーションしようと動き始めたのは、実は(奥様の)妹に感化されたからなんです。妹の自宅が、丁度戸建てのリノベーションをしていて。それで早くリノベーションしたい!と自分の中で熱が高まってしまって…。
—— そうだったのですね!ご姉妹揃ってリノベの虜になってしまわれたのですね。リノベーション会社としては嬉しい限りです!
奥様:結婚してから、定期的に住宅は探していました。それこそ新築の戸建住宅も見たりしていました。でも、戸建住宅ですと、維持費もいくらかかるか分からないじゃないですか。外壁塗り替え等のメンテナンスの事も考えていくと、修繕計画がはっきりしているマンションの方がよいかなと。そして新築マンションも内見してみたのですが、全く心に響かない。トキメかなかったんです。今後何十年も住み続けていく事を考えると、心に響く、トキメく住まいにしたかったんです。そんな矢先に妹の戸建リノベーションを見てしまったので、もうそこから先は、自分の中で火がついてしまって、中古マンションのリノベーション1択でした。
—— 奥様主導で始まったリノベプロジェクトですが、旦那様のご意見はあったのでしょうか?
ご主人:正直殆どありませんでした(笑)それこそ、設計の打合せの途中まで、関心が薄かったです。岡田さんと妻が設計内容のやり取りをしていることすら知らない状況でしたし…。でも、途中からはリノベーションの事例を見る様になって、こんな事も出来るんだ!あんな事も出来るんだ!と俄然興味が湧いてきました!
—— ご主人の関心があまり無い事に気付いていたので、最初は少しヒヤヒヤしていました(笑)でも、ご主人も設計途中から、これをやりたいなど、ご要望が増えていきましたもんね。リノベーションの魅力に気付いて頂けて良かったです!
▷リビングダイニングとキッチンを間仕切る大きな造作家具
▷造作家具の裏にはキッチン家電がきれいに納まっている。
—— 弊社にお越し頂いたきっかけは覚えていますか?
ご主人:ネットで色々調べていて辿り着きました。サイトの雰囲気から受ける印象も良かったですし、事例も好みのものが多くて。それじゃ行ってみようと。実際に岡田さんにお会いして、問題なく進めて頂けそうと思いました。
—— ありがとうございます!でも、どうして問題なく進めてもらえそうと感じたのでしょうか?
ご主人:人柄と言いますか、直感で。例えば、美容室を選ぶにしても、あまりにも自分の好みの服装とかけ離れている人に切ってもらうのって不安じゃないですか?モード系の洋服とか着ていないのに、バリバリモード系の人に切ってもらうとか。岡田さん、ニューバランスの靴をいつも履いているじゃないですか。なんとなく、私たちと似ているんじゃないかなと。自分の好きな事を分かってもらえそうと、直感で感じました!
—— 人柄で選んで頂いたというのは、最上の褒め言葉です!ありがとうございます!確かに僕はニューバランスの靴ばかり履いています(笑)そういえばですが、僕の担当するお客様のニューバランス率が異常に高い気がします。年齢が近いので、好きなモノやライフスタイルが似易いとも言えますね。登山やランニング等、スポーツを楽しんだりするような「ライフスタイルや趣味を最大限に楽しむ」アクティブなお客様に共感を得られ易いのかもしれません。O様のリノベーションを担当した施工会社の担当者も同じ靴を履いてました。他のリノベーション会社などは検討しなかったのでしょうか?
ご主人:検討していません!EcoDecoに伺って、問題なく進めて頂けそうと感じてからは設計はEcoDecoにお願いしようと決めていました。
▷玄関にはオープンな収納を設け、ディスプレイしながら収納している
▷ダイニングテーブルもインテリアに合わせて造作した
—— 弊社にお越し頂いたとき、プロフィールシートをお持ち頂きましたよね。このおかげでとても打合せがスムーズに進んだと思います。
ご主人:まずは自分たちの事を知って貰いたかったのと、自分達のライフスタイルを見つめ直す意味も込めて作りました。
—— 各部屋に対して、5~6つ程度の要望がありました。あとは、ご夫妻それぞれの好きな物/嫌いな物、休日の過ごし方や家での過ごし方まで。実はこれを見ていて、面白いなと思っていたことがありました。それは、リビングやダイニングとは別に、「妻部屋」「旦那部屋」と書かれていた事です。弊社のお客様の多くは、夫婦で1つの寝室という方が殆どでしたので、珍しいと思っていました。これはどういった事から来ているのでしょうか?
奥様:実は実家で暮らしていた頃からの名残なんです。一人に対して一部屋があって、それが当たり前と育って来たので、この考えが頭から離れなかったんです。70㎡と限られた住まいではあったのですが、ここはどうしても譲れませんでした。でも、子供が出来たら、夫婦で一つの寝室もやむを得ないとも考えていました。70㎡という限られた、貴重な面積ですので。
—— そのような理由があったのですね!個室は必ず必要ですが、ご夫妻共に殆どの時間をリビングダイニングで過ごすので、リビングダイニングも極力広く取りたいという事でしたね。
ご主人:はい。二人とも家ではTV中心の生活ですので。
—— そういえば、もう一つ印象的な事として、ソファを2台持っていて、1人1台のソファを使うと仰っていました。それも1シーターのソファーではなく、2シーターのソファをそれぞれ1人で使うと。
ご主人:家ではゆっくり、まったり、ゴロゴロしているのが好きなんです(笑)ですので、必然的にリビングダイニングを極力広く!という事になっていったんです。
—— 個室の取り方、リビングダイニングの取り方は大切に設計しました。将来的に子供2人まで対応出来たら・・・という話も途中で出てきましたので、片方の個室には、後から壁を立てて、もう一部屋を作ることができる様に、シングルベッドが入るギリギリのサイズまで追い込みながら、リビングダイニングを狭くしない様にと。そうして考えていくと、既存の間取りは比較的O様のご希望を叶えられる間取りに近いものだと分かってきました。といっても、元々の間取りをそっくりそのまま使ってしまうと、寸法的に納まりが悪くなってしまうので、殆どの壁は壊しています。結果的にリビングダイニングは、キッチンまで含め18畳以上の広さを確保した、70㎡(壁芯)の2LDK(将来的に3LDK)としては比較的贅沢にプランニング出来たと思います。
▷リビングと寝室を仕切る引き戸を空けると、さらに大きな空間となる。
—— いまでもはっきり覚えているのですが、設計中におめでたが発覚しましたよね!
ご主人:そうなんです!妊娠している事が分かって。凄く嬉しかったです!
—— 弊社も嬉しかったです!その大切な時に設計に携わることが出来て、何だか幸せでした!そして、プランも変わりましたね。
ご主人:そうでしたね。ファーストプランの時にご提案頂いた中で、リビングダイニングの1角にロフトがあるプランで進めていましたよね。このロフト案、とてもワクワクしていて、途中までは本当にこちらで進めようと思っていました。ロフトの上から丁度TVが見られる様になっていたり、ロフトの下は籠り部屋みたいになっていたり。将来的には子供部屋かな~と妄想は膨らんでいました。でも、妊娠が発覚して、将来の予定に変化が起き、その事を見据えて真剣にロフト案に向き合ってみたとき、子供の立場としてどうなんだろうと考え始めました。子供部屋が独立していないというのは、小さい時は良いけれど、大きくなったときどう感じるんだろうと。すると、やっぱり子供部屋は部屋として独立させたいという思いに傾いてきました。
—— 弊社でも、ロフト案を提案しておきながら何ですが、本当にロフトで生活できるのかなと。出来た当初は楽しいし、使い倒すと思うのですが、後々はどうなんだろうと。ずっと迷ってました。それも、既にお子様がいて、ある程度ライフスタイルが出来つつあるご家庭であれば話は別ですが。O様の場合は、尚更、一人一人に対して独立したお部屋を望んでいらっしゃった事もあって、ロフトを1部屋として扱うのはベストじゃないと考えました。それで、見積を出す前にロフト案を止めたプランをお見せしたら、「冷静に考えるとこれだよね」と意見が一致しましたね。
ご主人:それぞれ最低限のプライベート空間を確保した上でロフトがあるという話であれば、とても面白いと思っています。設計期間中は興奮状態でテンションも上がってしまっているので、一度冷静に見つめ直す事は大切ですね。
▷ご主人のプライベート空間。ワークスペースやクローゼットなどを造作した
—— 初めに見積をお見せした時に、金額が大幅にオーバーしていましたね。その後、色々減額をご提案させて頂きましたが、最後までフローリングの仕様変更はされませんでした。確か旦那様のご希望だったと思うのですが。
ご主人:はい!これは最後まで譲れなかった部分です。初めは殆ど関心が無かったリノベーションですが、徐々にやりたい事が分かって来ました。その中でも、ご提案頂いた超幅広のフローリングは絶対に譲れませんでした。というのも、床って簡単に変えられないじゃないですか。であれば、本当に気に入った床材を妥協せずに使いたいなと。
—— 弊社からは、フローリングの仕様変更のご提案を何度もさせて頂いておりましたが、最後までココは譲りませんでしたもんね。O様にはご説明しておりましたが、このフローリング、初めから特殊な塗装が施されていて、10年間くらいはノーメンテナンスで使えるんです。元々店舗用で開発されたフローリングだからというのもあるかもしれませんが、水も完全に弾くので耐久性も抜群。無垢のフローリングではないのですが、表面に5mm厚のオーク材を使っている3層構造のフローリングですので、無垢のフローリングと見分けはつきません。また、無垢のフローリングですと伸縮と膨張を繰り返していくのですが、これは3層構造ですので、材料の安定性も高い。そして250mmの幅広。ついでに、表面にはハンドスクレイプ加工が施されているので、少し凹凸があり、素足で歩いた時の足触りも抜群。他のお客様にも色々なフローリングを見せて選んで頂くのですが、このシリーズのフローリングを選ばれる方が多い気がします。
ご主人:周りの人からの評判も良いですね!床が何か違う!と皆さん言っていますね(笑)今までは賃貸だったという事もあり、床を大切に扱うというのは特に意識していなかったのですが、この家では、床の掃除をこまめにやる様になりました。自分好みのコダワリのモノを使うと、愛着が湧いてきますね。本当に妥協しなくて良かったです。逆に、初めは鉄製のCD棚も作ってもらおうとしていましたが、結局取りやめて正解ですね。というのも、CDはパソコンに全て読み込ませてしまって、処分してしまおうと考えています。
—— 他に、予算超過に伴って、取りやめて正解だった部分はありますか?
奥様:ユニットバスのアクセントカラーですね。好みの色の壁面に出来るタイプと通常のタイプで迷っていました。この差だけで10万円UP…。着工ぎりぎりまで迷っていたんですが、岡田さんが「僕だったらこの10万円をダイニングチェアを買うお金に充てます」と仰られて。この言葉を信じて、通常のタイプで進めました。結果は、岡田さんを信じて良かったと思っています!
—— ありがとうございます。岡田を含め、弊社のスタッフは、自分の思った事を正直に伝える事が多いのです。コーディネーターにしろ、悪いと思った物件は率直に「オススメできません!」と伝えたり。スタッフのアドバイスが役に立ったようで嬉しいです!
▷洗面台もオリジナルで製作
▷廊下の様子。左手に写る引き戸もオリジナルで製作したもの。小口の黒色が空間を締める
—— 前のお住まいと暮らし方に変化はありましたか?
奥様:一番変わった事は、料理の頻度でしょうか。以前よりも料理の頻度が上がりました。システムキッチンなのですが、2.7mと長いので、料理しなきゃ!という思いが強くなりますね。また、キッチンとダイニングを緩く区切る様に作ってもらったオリジナルの家具が本当に便利で。この家具に冷蔵庫やゴミ箱、レンジからお皿等の収納も出来て、ダイニングに面した収納には、本がぎっしり。作業台も凄く便利で。そしてこの家具のおかげでシステムキッチンも目立たず、丁度目隠しにもなっていて良い事づくしです。
—— キッチンとダイニングを緩く区切る家具は、ファーストプランの時からありました。キッチンに立っていてもダイニングの気配を感じたいという理由から、当初はアイランドキッチンにしたいとご要望がありましたね。でも、排気ダクトの経路上、排水経路上、壁付けタイプのキッチン以外にするのは難しい事が分かっていました。ですので、割り切って壁付けキッチンにしてしまって、その後ろに冷蔵庫や食器を収納出来る家具を作りましょう!でもキッチンとダイニングを緩やかに繋げる為に、天井と家具の間に空間をとり、一部作業台としても使用出来るカウンター収納にしましょうと。そしてそして、この家具のダイニング側には、本を目一杯収納出来る様にしましょうと。この家具だけで、キッチン周りの収納・冷蔵庫の収納・緩やかな仕切り・本収納と1台4役の家具になっているわけです。
奥様:作業台にはコンセントも付いているので、コーヒーメーカーも置けたりと本当に大活躍です!そういえば、ダイニングテーブルも作ってもらって良かったなと思います。収納の家具と同じ雰囲気でまとめられていますし。ギョッとする様な金額でもありませんでしたし。
—— そうなんです!実は、意外に安く作れています。テーブルの構造が単純というのもありますが、それ以外に、O様のリノベーション、実は家具工事の比率がうんと高いんです。キッチンとダイニングを緩く仕切る収納家具の他に、洗面台の家具、洗面収納の家具、廊下の本棚、リビングの照明BOX。このように家具工事の比率が高いので、割安に作れてしまうんです。O様の家は、家具以外にもオリジナルが多いですよ。建具はもちろん、建具の引手もスチールでオリジナルで作っていますし、家具の扉の引手もオリジナルです。感覚としても結構作ったな~という気がします。
ご主人:こういうオリジナルのモノに囲まれているからでしょうか、エアコンを設置しに来た業者の人から「デザイナーさんですか?」と言われたりしました(笑)実は売買の仲介をしてもらった不動産会社の人も見に来たんです。売買契約直後、その不動産会社の関連会社でもリノベーションできるという話があったのですが、竣工して見に来た時に、「これはうちでは出来ないですね」と言っていました。
—— 既製品も上手く使えればもちろん取り入れますが、オリジナルの方が愛着も湧きますし、なによりもその空間にフィットして気持ちが良い気がしています。
お子様も生まれて、ライフスタイルが変わって、何か付け足したいモノなどが出て来たら、今後も気兼ねなくご相談ください!
本日は出産直前にも関わらず取材にご協力頂き、本当にありがとうございました。
一番初めの顔合わせの時に、自分たちの事をまとめたプロフィールシートを持ってこられたO様。奥様、旦那様、それぞれ専用のソファでマッタリしながら本を読んだり、映画やTVを見て過ごす事が多いことから、リビングダイニングを大きく取る事が必要でした。
但し、個室も必ず2部屋以上必要。様々な条件を整理していくと、元々の間取りは比較的理想に近いものだと分かりました。という事で間取りを大々的に変更するのではなく、O様の生活、寸法体系にフィットさせる方向で考えていきました。
それに伴い、圧倒的に足りていなかった収納を家具で補いながら、それらの取手や建具の引手、照明などまで製作し、空間の一体感を演出することでリビングダイニングをより広く感じられるように努めました。
O様にフィットした住まいで、生まれてくるお子様と幸せな日々を過ごして頂ければと願っています。
O様邸のリノベーションは、現在進行中。お住まいになってからは、ご自身で棚を設置したり、楽しんでいらっしゃるそうです。
設計中も撮影時もお腹の中にいた赤ちゃんは、今では(2014年6月現在)ママがコーディネートしたキッズスペースですやすやと眠っています。うらやましいな。
画像提供:O様
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