ファミリー/81㎡以上
リノベーションを通した住まいづくりを「すべてを自由に作り込む旅」とたとえられたH様。ご家族で「どう暮らしていきたいか」を考え、物件選びから間取り、設備選びまで、お仕着せでない本当に欲しいものを実現されていくプロセスを楽しんでいただきました。
一番最初に、EcoDecoさんがこの物件を紹介してくださった文章に、「私がここに住んだら、子供と公園で一緒になって遊んで、帰宅したらキッチンで食事を作って、子供は疲れてハンモックで寝ている、なんていう暮らしになるだろうなと想像します」と書かれていたんです。今まさにその暮らしを実現しているという感じです。
ー 木場公園のすぐそばのこちらの住まいに引越してから暮らしにどのような変化がありましたか?
ご主人:一番最初に、EcoDecoさんがこの物件を紹介した文章に、「私がここに住んだら、子供と公園で一緒になって遊んで、帰宅したらキッチンで食事を作って、子供は疲れてハンモックで寝ている、なんていう暮らしになるだろうなと想像します」と書かれていたんです。EcoDecoさんは最初からこの物件から、公園が一体となったファミリーの生活というのを想像していたわけですが、今まさにその暮らしを実現しているという感じです。
奥様:川沿いをサイクリングしたり、公園でバーベキューをしたり、近所に遊べる場所がたくさんあるのはいいですね。夫が子供を幼稚園に送ってくれる日は、送った後にカフェで待ち合わせてコーヒーを楽しむこともあります。
ご主人:土日は行列になるお店でも、平日の朝なら空いているので「これは贅沢だなぁ」と幸せを感じますね。
ー そういう朝を過ごしていると心にも余裕が生まれますね。
ご主人:考え方も変わってきましたね。以前は、どこか守りに入っているというか、家や仕事に自分のスタイルを合わせる、我慢するという感じだったのですが、最近はもっとアクティブになっている気がします。
奥様:賃貸の家に住んでいた時は、どこか用意された舞台にいるようでしたが、ここに暮らしてからは自分たちが主役になれた感覚がありますね。
ー リノベーションをされる前に、他社さんとコンペをされたんですよね。
奥様:不動産仲介の段階でEcoDecoさんは好印象だったんですが、悔いのない選択をするために公平な競争をしたうえで決めたかったので、あえて、新築も手がけて駆体を作るところからすべて行うといった、全く違うタイプの会社に相談をしました。
ー 結果的にEcoDecoを選んだ決め手は何ですか?
奥様:実は、設計に入る前に「自分たちの思いや理想とする暮らし」を長いメールでお伝えしたんです。その中には具体的な仕様のこともありましたが、まだ具体化していない「思い」までもが玉石混淆で含まれていました。 それに対して、EcoDecoさんは「お客様とスタッフの間での暮らしに対する想いの共有をとても大切にしています。間取りやお好みの家具やテイストのご希望からではなく、そこでどんな時間を重ねていきたいのか、どんな暮らし方を実現したいのか、といったご希望にじっくり向き合い、ただ“カッコイイ”だけではないプランを提案しています」とお返事をくださった。そのことで、一緒に作ってくださるのはこの方たちだと思ったんです。
ご主人:他社さんもいろいろな提案をしてくださいましたし、提案としては本当に微妙な違いだったと思います。
奥様:効率良くリノベーションをするなら、あらかじめメニューやパターンが、ある程度決まっているほうがやりやすいんだろうなとは思います。何人家族のこういう暮らしなら、こういう基本パターンがあって、こうしたいならこれをプラスできます、という風に。ただ、私たちが新築マンションや戸建てではなく、フルリノベーションをしたいと思ったのは、「こんなふうに暮らしたい」と思い描く暮らしの理想やイメージがあるからでした。担当の小林さんは、私たちが出した個々の希望をいったんすべて聞いてくださったうえで、さらにその元にあるイメージを汲み取り、私たちと同じ目線でやっていこうとしてくれていることが伝わってきました。
ご主人:設計の中盤くらいで、EcoDecoの小林さんと「リノベーションって旅に似ていますね」という話をしたんです。「この場所のこういう物件に住みたい」というのは、「この国でこういう旅がしたい」と思うことに似ていますね、と。すべてパッケージングされた旅、基本プランにオプショナルツアーをつける旅、すべてを自由に作り込む旅、どれを選ぶかは旅行者によりけりです。 それで、私たちは作り込む旅を選んだということなんですが、小林さんは、この物件とこの家族構成で考えられるパターンはこのあたり、ということは最初からご存知だったと思うのですが、それを私たちに言わずに、黙って私たちの側に立って一緒にプランを考えてくれたと思います。 今改めて最初の提案プランを見直すと、当時は気づいていませんでしたが、「小林さんはあからじめこうなることを分かっていて、このプランを提案してくれていたんだな」と腑に落ちる部分がたくさんありますからね。
ー この物件を選ばれた理由は何だったのでしょう?
奥様:木場や清澄白河は、都心に近くて高層マンションもある一方で、歴史や文化もあるんですよね。夫の物件選びの条件が「歴史と図書館があるところ」だったので、物件を見る時は、必ず近くに図書館があるかをチェックしていました。私は「それよりも南向きで、二面採光がいい」と言っていたんですけどね(笑)
ご主人:そんな希望の異なる私たち二人が、実際に内見をして文句がなかったので即決でした。
奥様:古いモノも新しいモノも両方があって、街のバランスがすごく良いなと思いました。
ご主人:契約までにこの街の歴史も調べましたね。江戸時代は川がもっと入り組んでいて、貯木場だったそうです。
ー 言われてみると、窓から見える景色もどこか江戸の風情がありますね。
ご主人:ベランダからの眺望は、この部屋を選んで良かったことの一つです。窓から見える親水公園の橋や建物は、江戸時代のものを模して作っているようです。歌川広重の名所江戸百景に描かれた光景に似ているんですよ。窓の左手が木場公園で、近くには子供達が水遊びできる場所もあります。
奥様:トイレの壁に名所江戸百景をデザインしたいなと思っているのですが、ただ浮世絵を額装するのではつまらないので、デザインし直して壁全面に貼りたいなと思っています。予めEcoDecoさんにお伝えして、そういう壁にしてもらっています。
ご主人:この物件に決めた理由ですが、紹介文に「なにを隠そう、こちらはかつて EcoDecoスタッフが購入を本気で悩んだマンション!!」とあったのは心理的な後押しになりましたね。プロの目から見て悪くないと思ったマンションなんだ、と。で、その時は、そのスタッフが天井さんだとは知らなかったんですが、後から天井さんと聞いてびっくりしました。実は、何年か前に「リノベーションっていいな、楽しそうだな」と思ったきっかけが、EcoDecoスタッフの天井さんの自宅リノベーションのブログ(スタッフamaiの家づくりblog)だったんですよ。それで改めてブログを見直して「本当にこの物件を訪ねてる、しかも何年か前にそれを僕は読んでいたんだ!」と。
ー 数年越しで出会ったというのはEcoDecoとのご縁を感じますね。
ー 物件購入時に耐震面で不安な部分があったそうですが、どのように解消されたのですか。
ご主人:どうやって解消したんだっけ?…..忘れちゃいました(笑)。
奥様:どうしたんだっけ?(笑)旧耐震だったのと、耐震性診断で少し脆弱性があるという結果が出ていたんだと思います。
ご主人:確率的に旧耐震のほうが大破する可能性が高いということは知っていましたが、それはあくまでもパーセンテージの問題でもあって悩ましいところではありました。ただ、このマンションは修繕計画や積立金もきちんとしていますし、もうすでに耐震性の診断までやって実情を正しく把握している。そう考えると、耐震性は確かに大切な要素なんですが、あれこれ思い悩むより、他の人もたくさん入居しているこの物件に早く住み始めて、その上で他の方と一緒に考えて行こう、と思うようになりました。 それから、住んでみて知ったんですが、深川祭りのときには私たちが住む地区だけでも500人くらいが出てきて神輿を担ぐんですね。それだけの大所帯を運営するノウハウがあるということは、たとえば災害時にもしっかりと統率や連携が取れる可能性が高いんじゃないかと思っています。地域の底力という意味ではすごいぞと。
ー 深川祭りってそんなに盛り上がるんですね!
奥様:何気なく近所を歩いているおじさんも、お祭りになるとすごい方なんだろうなと思うと、なんだか楽しいですよね。
ー デザインの面で最もこだわったのはどの部分でしょうか。
ご主人:キッチンの壁面のタイルはこの家で一番こだわった部分です。サンフランシスコのヒースセラミックスというメーカーのタイルで、雑誌でこのタイルを使った家を見かけて知りました。1枚1枚少しずつ色味が違いつつも、全体として見るとバランスの取れた雰囲気が、他のタイルにはなくて素敵だなと。ただ、日本で取り扱う代理店はあるものの高額で、代わりに似た雰囲気のタイルを探しても見当たらず、結局、ヒースセラミックスから個人輸入で取り寄せました。
奥様:最初にサンプルを取り寄せたんですが、この1枚が果たして全体の中で濃い色のタイルなのか、薄い色のタイルなのかがわからなくて(笑)。必要数すべてを購入してみないと、全体の雰囲気がわからないというのは、賭けの部分もあってずいぶん悩みました。でも最終的には「やっぱりこれがいいね!」と夫婦で意見も一致し、取り寄せることにしました。
ご主人:ここは「我が家の顔になるな」と思ったので、妥協せずに理想を貫きました。個人輸入のドキュメンタリーだけで30分くらい話せますよ(笑)。
ー 埋め込み式のガスオーブンも使い勝手が良さそうですね。
奥様:ガスは立ち上がりが速いので、オーブンを使うのが楽しくなりました。引越し直後の段ボールの山の中で迎えたクリスマスでしたが大きなチキンを丸ごと焼くことができました。コンロも、ボタン一つで何でもできるような多機能性は求めていなかったので、「道具のようにシンプルなもの」というと選択肢が自然と限られてきました。東京ガスとノーリツが共同開発したコンロにしたのですが、10年以上モデルチェンジをしていないそうです。高火力で鉄鍋の空焼きもできて気に入っています。
ご主人:その代わり、我が家には炊飯器や電子レンジもありません。妻も私もなるべく自然に寄り添って暮らしたいという思いがあってのことです。といっても外食もしますしジャンクフードを食べることもありますが。
奥様:ずっとキッチンを家族の暮らしの中心にしたいと思っていました。それで、設計に入る前、EcoDecoさんに「食べることを大事にしているから、食卓から季節の変化を感じたり、料理や食事をしながらおしゃべりをして過ごしたり、各々が違うことをしながらも同じ空間で過ごしていたりと、家族みんなが心地よく触れ合えるキッチンやリビングにしたい」と伝えたんです。
ご主人:今、そのイメージどおりの暮らしができていますね。ダイニングでは食事をしたり、パソコンしたり、本を読んだり、ほとんどすべてのことができるので、キッチンやリビングで過ごす時間が一番長いです。ただ、意図していなかったのが、家全体に仕切りを設けていないので、子供が逃げると捕まえられないことです(笑)。
奥様:よくも悪くも追い込めません(笑)。でも、息子のお友達が遊びに来ても、家中をぐるぐる走り回って、楽しそうにしてくれているのはうれしいですね。
ー リビングの奥はキッズスペースでしょうか。
ご主人:今は子供たちがおもちゃを広げて遊ぶスペースになっています。実は、このあたりをどう仕切るか、あるいは仕切らないかというのは、本当に悩みましたね。将来、子供たちがきちんとした個室をほしいと言うのか、寝るスペースだけあればいいのか、今の段階では分からないので。
奥様:私たちは「ここはもうこれ以上考えても解が出ないな」とあきらめたんですが、小林さんはずっと考え続けてくれていたんです。設計終盤の打合せで「そういえばここのところ、こんなのもありじゃないでしょうか?」と提案してくださって、「まだ考えてくれてたんだ!」と感激しました。
ご主人:このスペースの壁は、床の上に乗っかっている状態なので、床はそのままに壁を取り壊せてもう一度部屋を仕切り直せるんです。通常よりコンセントの数が多いのも、壁で仕切った場合に2つの部屋に分かれることを想定しています。現在は、寝室へと抜けるスペースを、キッズスペースから見て右手にウォークスルークローゼット、左手にスタディエリアとしています。
ー スタディエリアにデスクを2つつなげて置かれてますね?
ご主人:子供が小さいうちは、私が仕事をする隣で子供が勉強できたりするといいなと思っています。このデスク、ダイニングテーブルと高さが同じなので、お客様が来たときの拡張テーブルにもなるんですよ。
ー 素敵な自転車がいくつも置かれていますが、ご趣味ですか?
ご主人:はい、土間は趣味の自転車のトレーニングスペースになっています。今はトレーニング情報をインターネットで共有できるので、家の中で漕いでいるだけでも世界中の人とゲーム感覚で競いあえるんです。モニターはそのためのものです。他にも、外に近い環境にするために扇風機を置いたり、フォームの確認用に大きな姿見を置いたり、壁にかけた自転車にピンスポットが当たったり、夢だったことが詰まっています。
ー 自転車を趣味とする人なら誰もが憧れるようなスペースですね。
ご主人:もう一つのこだわりが、玄関扉を開けて、目の前に広がる眺めです。鉄の格子窓と大きなガラス扉を使って、視界が明るく抜けるようにしていただきました。
奥様:夫が仕事から帰って来た時に、ドアノブがガチャっと音を立てると、子供たちが「おとうしゃんだー!」と駆けていって、ガラスの扉に張り付いて出迎えるんです。入浴中だと、脱衣所と土間をつなぐから、裸ん坊の子供たちが「おかえりー」って顔を出したり(笑)。
ご主人:子供たちの出迎えは本当にうれしいですね。
奥様:キッチンもそうなのですが、ぴかぴかの新品ではなく、時間の経過が感じられるラスティックな雰囲気や、木、タイル、石、金属、ガラスといった素材が醸し出す素材感を大切にしたいということを小林さんにお伝えしていたので、ここにもそれぞれの素材をバランスよく取り入れていただいています。
▷玄関土間からはパントリーや水回りへ直接アクセスできる。
▷洗面所からは、さらに寝室側へと繋がっている。
ー 土間とパントリーが繋がっていると使い勝手はいいですか?
奥様:買ったものをぐるっと部屋を回って運ばなくても、土間に置いておけばキッチン側から受け取れるというのはやっぱり便利ですね。
ー パントリーとは反対側の、水回りスペース側にも土間からアクセスできる扉があるんですね。
ご主人:この家にはお客さんに気軽に遊びにきてもらいたいのですが、玄関や洗面台・トイレにアクセスするのに、毎回リビングを経由するとお互いに気兼ねしそうだなと思い、リビングを経由せず、玄関から直接水周り、寝室へと抜けられるルートを設けました。あと、単純に「なんでこんなところに扉があるんだろう?」という部分があるのもおもしろいかなと思って(笑)。小さい頃に憧れた、忍者屋敷のイメージですね。
ー なるほど(笑)。リビングの天井近くにある棚も「この棚はなんだろう?」と目に留まります。
ご主人:梁を目立たないようにすると同時にデザイン上のアクセントにもなるという小林さんのアイディアです。これはIKEAのベッドのヘッドボードを切ってつないで、棚にしているんです。うちに遊びに来たお客さんからも好評なんですよ。
奥様:実用的にも、大人じゃないと手の届かない高さなので、子供たちからリモコン類などを守る棚にもなっています。
取材中も、「僕が作る!」とご長男がキッチンにお手伝いにやってきたり、シンクの横でご次男が奥様と並んでパズルで遊んだり。日頃からキッチンやリビングで同じ時間を過ごしていらっしゃる様子が自然と伝わってきました。火で炊いた手作りのごはんを食べて、家族で泣いたり笑ったりしながら、毎日同じ時間を過ごすということ。多忙な現代のライフスタイルではそんな何気ない「ふつう」の暮らしこそ難しくもありますが、H様は家づくりを通してそれを実現し、日常を楽しんでいらっしゃいました。 「まだどう使うか決めていないんです」というスペースもいくつかあるそうです。時間をかけて本当に気に入ったモノを選びながら、H様の「旅」はまだまだ続いていきそうです。
H様は住まいづくりのプロセスを「すべてを自由に作り込む旅」と表現しておられました。EcoDecoの役割はH様の選ばれたそれぞれの要素のつながりを整えていくガイドであるともおっしゃっていて、私にとってもしっくりくる喩えです。パッケージツアーも気楽で楽しいものですが、H様の場合はまずその土地をよく調べたり歩いたりして見て、集めた情報で自分たちの納得できる良い旅にしようというお考えでしたので、EcoDecoがそのプロセスの邪魔にできるだけならないようにと思いながら関わらせていただきました。 家一軒のことですので、お客様ご自身で一つ一つの情報を確かめていくプロセスはご負担でもあったと思いますが、手間がかかるからこそ楽しいそのプロセスに同伴させていただき、現在その暮らしを楽しんでいただけていることはとても嬉しいです。
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