ファミリー/81㎡以上
愛車の洗車を楽しめるスペースがほしいご主人と、管理面などを考慮してマンションを希望していた奥様。「戸建て」か「マンション」か。家づくりの永遠のテーマについて、荒平様ファミリーが出した答えは、両方の良さを兼ね備える「テラスハウス」でした。引っ越しからちょうど1年。どんな家づくりをされ、どのような暮らしを楽しんでいらっしゃるかを伺いました。
ここは建物が特殊で住宅ローンを通すのが大変だったのですが、諦めずに色々と動いてくださったのがありがたかったです。設計でも常に先回りして提案してくださっていましたし、リノベ中に予想外のことが出てきても不安なく進められました。
ー お庭が2箇所もあるのはテラスハウスならではですね。
奥様:南にある庭は日当たりがいいので野菜もよく育ちますし、サンルームの中は冬場もぽかぽかしています。玄関側の庭は北側で陰があるので、夏場は植物を玄関側に移動させたりと使い分けています。
ー お庭ではどんな野菜を育てているのですか?
奥様:今はエシャロットです。庭から採ってすぐに料理に使えるので便利ですよ。引っ越した当初は植物を育てるつもりでしたが、ご近所の方に野菜派が多くて、その影響で家庭菜園を始めたらハマっちゃいました。ずっと同じ場所で作り続けると土が悪くなってしまうので、輪作をして季節ごとにいろいろ育てています。これからの季節はそら豆が実り始める予定です。
ご主人:輪作をするなんてもう趣味の域を超えているよね(笑)。
奥様:実は、私の実家が農家なんです。ただ、幼い頃は全然野菜作りに興味がなくて(笑)。お手伝いをするのも億劫でしたが、ここに引っ越してからおもしろさに目覚めました。育て方を聞いたりと以前よりも両親との会話も増えましたね。
▷吹き抜けの上に天窓があるおかげで階段や廊下にも日差しがたっぷりと差し込む
▷玄関周りのアプローチはご主人のDIYで仕上げたそう
ー サンルームもとても素敵ですね。
ご主人:サンルーム自体はリノベ前からあったのですが、フラット35の住宅ローンを借りるための基準を満たしていなかったので一度取り壊して、引っ越し後に新たに作り直しました。
奥様:EcoDecoさんに相談したら「いつもの工務店よりもエクステリアに特化した会社に依頼した方が安いかも」とアドバイスをもらい、サンルーム部分だけ別の会社に依頼しました。床は、キッチンや水周りで使っているPタイルを、自分たちで貼って統一感を出しました。
ー 床のタイル貼りをDIYされたのですか!
奥様:賃貸に住んでいた時から壁を塗装したり、窓枠を自分で作り替えたりしていたので、DIYは身近なんです。キッチンや水周りのPタイルはリノベーション時に依頼しましたが、サンルームならあまり目立たないし自分でやってみようかなと思い、YouTubeで手順を勉強して挑戦しました。
ご主人:寒くなる前に完成させないと植物が弱ってしまうので、途中から私も合流して一緒に完成させました。
奥様:今、サンルームを一番楽しんでいるのは娘かもしれません。冬場はサンルームが家の中で一番暖かいので、おもちゃを持ち込んで一人遊びをしていることも多かったです。
▷キッチンに立つとリビングダイニング全体が見渡せる。DIYで仕上げた壁の色は全て奥様がセレクト
奥様:たいていのDIYは、私が最初に「こういうのが作りたい!」と率先して買い出しに行くのですが、最終的には主人がやってくれていて(笑)。私は言い出しっぺで、いざやり始めると主人のほうがこだわって完璧に仕上げてくれるという感じです。
ー お二人ともDIYがお得意なのですね。
奥様:壁の塗装も下地のパテ塗りから挑戦しました。ただ、下地は施工会社さんにお願いして、最後の塗装だけDIYにすればよかったかな、と後悔しそうになるくらい下地の作業は大変でした。
ご主人:作業自体は楽しかったけど、体力的に大変だったよね。家中すべての壁だったので、塗らなければいけない場所があまりにも多くて、車の中で寝泊まりしながら一気に完成させました。
▷DIY中のご主人。洗濯室の壁に貼ったモザイクタイルを仕上げています
▷壁のパテ処理をしているところ。YoutubeでDIYの仕方や作業の様子をご覧いただけます(こちら)
▷DIYで仕上げたモザイクタイルの壁
奥様:最後の色を塗る工程は、姉家族や友人にも手伝ってもらって、みんなで一緒に塗ったので特に楽しかったです。普段の生活で壁に絵を描くことなんてないですし、それが自分の家となると、本当に楽しくて。下地のやすりがけが大変だった分、色を塗るのは簡単に感じましたね(笑)。
ー 寝室や階段もとてもカラフルで楽しさが伝わってきます。
奥様:減額もDIYをした理由の一つでしたが、それよりも経験したいという思いのほうが大きかったですね。その甲斐あって手順を学べたので、今後もしもヒビが入ってしまったり何かあったりした時も自分たちで直せると思います。
ー 内見の1軒目がここなんですよね。
奥様:はい。私たちのストライクゾーンがすごく狭かったので、それが叶う家なんて他にないだろうと即決でした。
ご主人:EcoDecoさんからも「他は見なくて大丈夫ですか?」と聞かれたのですが、ここよりもいい部屋は見つかりそうにないし、ここしかないねと決めました。
ー どんなご希望だったのですか。
奥様:主人は洗車ができる家、私はマンションが希望でした。部屋の前で洗車もできる駐車スペース付きのマンションなんてないので、二人の希望を叶えようとすると、おのずとテラスハウスになりました。
▷近所の公園へピクニック。駅前の賑やかさに比べて人も車両も少なく、小さなお子さんも歩きやすいそう
ー エリアで探していたわけではないのですね。
奥様:そうですね。「こういう暮らしがしたい」が先にあって、「その暮らしをするならテラスハウスがいいね」という流れでした。テラスハウスってバブルの頃に多く建てられたそうで、その当時に開発が進んだ街で絞り込むと、徐々にエリアが限定されていきました。
ご主人:最初は百合ヶ丘あたりで探していましたが、条件に合致するところがなくて…。範囲を広げて探したらたまたまここを見つけて、以前からご相談していたEcoDecoさんと一緒に内見に訪れました。
奥様:内見に来てみたら、姉や友人家族の家とも車で行き来しやすい距離ですし、多摩センター駅からは始発も乗り入れしていて通勤の利便性も悪くないし環境もいいねと。
ー 駅前は賑やかですが、この辺りはとても落ち着いていますね。
奥様:それも決め手の一つでした。駅前は買い物に便利な一方、少し歩くとかなりのんびりしているんです。初見では「こんなに窓の大きな1階に住むのって、防犯面は大丈夫なのかな」と少し不安にも思いましたが、テラスハウスの周辺を見ていると、皆さんがのんびりと暮らしている様子をうかがえたので、大丈夫そうかなと。実際、都心にいた時に比べて、ここに住んでからはご近所の方との交流がかなり増えました。私は田舎で生まれ育ったので、そうした距離感の近さに安心感を覚えますね。
▷ダイニングキッチンの一角に設けたスペースは奥様が趣味を楽しむエリアに
▷在宅ワーカーの奥様の仕事場は2階の書斎。将来はご夫婦の寝室にすることも計画中
ー 家づくりではどんなリクエストをしましたか。
奥様:「趣味」「仕事」「くつろげる場所」とスペースを分けたいとお願いしました。それと、生活する中で暮らしにくさを感じることは避けたかったので、見た目を重視しつつも、掃除や整理整頓がしやすいことも大切にしました。周りに家を建てたりリノベをしたりした人が多いので、お邪魔した時に「こういうのいいな」「ああいうのいいな」と思うことがいくつもあって。そうして少しずつ溜まっていたデータをこの家に活かせたので全体的にとても満足しています。
ご主人:基本的には妻に任せていました。私は職業柄、在宅勤務になる可能性はゼロなので、コロナ禍以降にフルで在宅勤務になって、家に長くいる妻の意見を尊重したほうがいいなと。あと、どちらかというと私は大雑把なタイプなので(笑)、任せたほうが綺麗で過ごしやすい家になるだろうなという思いもありました。
ー 奥様はどこで仕事をしているのですか。
奥様:引っ越した当初は、ダイニングの脇に設けたワークスペースで仕事をしていました。仕事の合間に家事もできて便利そうだと思っていましたが、いざやってみると仕事と家事を行ったり来たりするのは気持ちの切り替えが難しくて…。私の場合はそういう働き方があまり得意じゃないんだなと気付いて、今は物理的に切り分け、2階のひと部屋をワークスペースにしています。
ー ダイニングのワークスペースはどのように使っていますか。
奥様:今は趣味のスペースにしています。ノッティングや織物、手芸が好きなので、袖机の引き出しにそれらの材料や道具を収納しています。娘が小学生になったらここで宿題もできるかなとも考えています。
▷ジャンル別にラベリングし収納しているので調理中にも取り出しやすい
ー 袖机もパントリーも綺麗に整理整頓されていますね。
奥様:娘が自分でしまえるように「モノの住所」を決めています。片付けられる人であるかどうかって、子どもの頃の生活の影響も大きいんじゃないかと思っていて。使ったらしまう習慣づけができていれば、大人になった時に困らないかな、と。前の家ではスペースの都合上、どうしても収まりきらないモノがたくさんあったのですが、この家をつくる時は「モノの住所」が決まる家にしようと意識しました。
ご主人:私はたまにルール違反してしまいますが(笑)。
奥様:そんな時も「これはここにしまってねー」と一言伝えるだけで済むので、お互いにラクなんです。
ー 整理するために物量を把握するのは大変だったのでは?
奥様:「数えなきゃ!伝えなきゃ!」というわけではなく、EcoDecoさんのヒアリングシートに持ち物を書き込んでいくだけで、自然とリストアップできた気がします。ヒアリングシートもそうですが、こちらががんばって希望やTODOをまとめなくても、設計を担当してくださった岡野さんと、現地やオンライン上で会話を重ねる中で「こうしたいな」「ああしたいな」が出てきました。尋ねられた内容に答えているうちに私たちの希望が明確になっていった感覚があります。
▷1Fにある収納の1つ。家電の充電基地でもある。どれも取り出しやすいよう、棚の奥行きを設定している
▷廊下にあるお子さん用の壁収納。自分で収納できる高さに設定
▷2Fの寝室前のクローゼットスペース
▷2Fの現在のワークルームにあるWIC。夫婦の洋服収納として活用
▷壁式構造によって動かせない壁を上手に活かしてパントリースペースをゾーニング
ー なるほど。であれば負担は少ないですね。
奥様:きっとコミュニケーションの取りやすさが大きいんでしょうね。二人三脚で一緒に作っている実感はあるんですが、こちらに負担がのしかかるわけではないんです。例えば、メールだとニュアンスの共有が難しいことに対しては、現場で状況を見せていただきながら尋ねてくれるので、私たちとしては「じゃあこれで」と判断しやすかったり。いつも先回りしてくれていたので「あれは今どうなっているのかな?」「これはもっと調整できないのかな?」と心配になることはありませんでした。
岡野(設計担当):設計上で気になるところって、きっとお客さんも後々気になることなんですよね。最終的には決めないといけないことであるなら、その場その場でご希望を伺いながら進めたほうがお互いに良いかなと考えています。
▷玄関の正面にオープンなウォークインクローゼット。モルタル仕上げの扱いやすい床
▷洗面は玄関からダイレクトに使える場所に。ダブルシンクは奥様のこだわり
奥様:このテラスハウスは壁式構造の都合で、壁を取り壊せませんでした。それが分かる前は、玄関からキッチンへと土間でつながる動線にしたら掃除がしやすそうだなと考えていたのですが、それができなくなったんですよね。その時も「じゃあ玄関はモルタルにして、掃除のしやすさは叶えよう」と。「こういう方法ならこういうことができる」といつも解決策を提案してくださったので、リノベ中に予想外のことが出てきても不安なく進められました。
岡野:とはいえ、躯体壁による制限は悩んだ部分でしたよね。キッチンの背面も、コンクリートの壁がなかったらもう少しデスク側に広さを確保できたのになと思う部分はありました。壊せない壁によって開口部分が限定されるので、レイアウトに制限ができてしまうのは壁式構造の難しさです。
奥様:でも、私はキッチンの壁はむしろあってよかったと思っています。奥のパントリーが、リビングやダイニング側から丸見えにならなくてちょうどいいんです。
ー たしかに自然と目隠しになっていますね。
奥様:ですよね。この家を選んだ理由に、コストコやホームセンターが近いというのもあったので、パントリーは広めに作ってほしいとリクエストしました。以前の家ではストックの置き場所がなくて、なくなるとその都度買っていたのですが、予備をたっぷりと置けるようになったのがうれしいです。
ー キッチンの使い勝手はいかがですか?
奥様:完全に私の趣味にさせてもらいました。調理中、必要なモノにすぐに手が届くようにしたのですごく使いやすいです。見た目はラフでかっこいい雰囲気にしたかったので、ステンレスとモルタルを基調にしました。多少の汚れならサッと拭くだけで綺麗になるし、ステンレスのひどい汚れはジフとかで取れちゃいますしね。人によっては傷が気になるかもしれませんが、私はラフに使えるほうがいいのであまり気にしていません。
ご主人:スペースに余裕があるので、料理を運ぶなどキッチンに二人で立ちたい時にも便利ですね。
ー リビングには小上がりがあるんですね。
奥様:以前の家がソファに一人が寝転がると、もう一人は床にいるしかなかったのがストレスだったので、二人が寝転がれる幅を確保してほしいとお願いしました。
ご主人:休日は娘と一緒に小上がりで遊んでいることも多いです。壁を白に塗ってあるのでプロジェクターで動画を流すこともできます。
奥様:ダイニングとつなげて大きなLDKにしたいと思っていましたが、それも壁式構造の都合で難しくて…。ですが、実際に暮らしていると、リビングとダイニングの間に壁があってよかったなと思います。というのも、もしもひと続きだったら、娘はリビングで遊んでいても、ダイニングやキッチンにいる私のことが気になって、すぐに私のそばに来ていたんじゃないかなと思うんです。でも、壁があると緩やかに区切られているので、娘はリビング、私はキッチンと、各々の作業に集中できるんですよね。だからといって、お互いの様子がまったく見えないわけではないので、「何をして遊んでいるかな?」と娘の様子を覗くこともできて安心感があります。
ー ほどよいプライベート感がありますよね。
奥様:コロナ禍以降、家族でいる時間がすごく増えたので、適度な距離をキープできるのは、おうち時間がストレスにならないポイントだと感じます。自宅が快適なので外出したいとは全く思わなくて、時間が許すかぎりこの家にいたいです。
▷玄関側のベランダに提げたハンモックは娘さんの遊び場に
ー 休日はどんな風に過ごしていますか?
奥様:引っ越してこの1年は家のことが中心でしたね。サンルームを作ったり、家庭菜園を始めたり、玄関のほうの庭に芝をひいたり。夫婦共通の趣味がソフトテニスなので、練習がある日は外に出ますが、それ以外だと日中は畑仕事をしたり、ホームセンターやコストコに買い出しに行ったりというのが多いです。私が家の掃除している間に、主人は娘と公園に行くこともよくあります。
ご主人:歩いて行ける範囲に公園がたくさんあるんですよ。多摩動物公園にも何度か行きました。
ー 2階のベランダのハンモックは使っていますか。
奥様:娘が一番楽しんで使っているかもしれません。私は最近仕事が忙しくなってしまって、まだ1回しか使えていないのですが、時間ができたらあそこでくつろぎながらのんびりしたいし、趣味のニッティングも再開したいし、畑仕事ももう少し力を入れたいですね。
たくさんのグリーンや雑貨で飾られ、とっても明るく楽しそうな空気に満ちていた荒平様邸。多様なリクエストがギュッと詰まった家づくりは、家づくりblogでさらに詳しく綴られています。家づくりに関するリアルな悲喜こもごもの歩みは必読です。ぜひ合わせてご覧ください。本ページの下部にリンクを貼っています。
↓ 荒平様邸の画像をまとめてご覧になりたい方はこちらから(Pinterestのサイトへ移動します。)
荒平様が購入されたテラスハウスは壁式構造で、各部屋が躯体のコンクリート壁で囲まれているため、広くて一体感のあるLDKにできないなどの物理的な制限がありました。その状況下で、どのように暮らしたいのか?どこに何が必要か?という生活シーンをイメージしていただいた事が、このリノベーションには大きく反映されていると思います。
浴室を2階に移して玄関を広くしたり、洗面スペースをオープンにしたり、階段の位置を変えてリビングと一体になるように計画したり、子ども部屋を将来2つに分ける時には、優劣が出ないように配慮したりと、設計の打合せで話した1つ1つの事がしっかり形になったリノベーションでした。また、労力を惜しまずにイメージ通りの塗装(塗装というよりアートペイントですね!)をやりとげる姿は素晴らしかったです!!
不動産探しから施工まで、リノベーションに関するあらゆるご相談に、幅広くお答えします。リノベーションコーディネーターが無料個別相談会を行っていますので、お気軽にご予約下さい。まずは、じっくりとお話ししてみませんか。
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