二人暮らし/61〜70㎡
生まれ育った海浜幕張の街で、中古マンションを購入しフルリノベされた会社員のY様。EcoDecoはリノベーションからサポートしました。住み慣れたご実家の建て替え話をきっかけに、独立してマンション購入を決意されました。当初一人暮らしwithペットを予定していましたが、様々なタイミングが重なり、気づけば完成時からお父様とペットの猫&亀ともに暮らしていらっしゃいます。今の暮らしに至った経緯や暮らしの変化について伺いました。
―お父様が実家を売却される以前は一緒にお住まいだったのですか?
Y様:ここから2kmくらい離れた戸建に小さい頃から家族3人で住んでいました。数年前に母が他界し、家も古くなっていたこともあり、父と「建て替えようか」とも話していたのですが、ふと「自分の家を買う」という選択肢もあるかも、と。
―お父様はそのまま住み、Y様がご実家を出るということですか?
Y様:そうです。通勤圏内だったのでなんとなく実家暮らしを続けていましたが、自分の資金で、自分名義の家が欲しくなったというか。これまでは家を買うなんてあまり考えられなかったのですが、母のこともあってか、数年前にどこか吹っ切れた部分があって。「今、自分がしたいことをして生きよう!」と、自分の中でスイッチが切り変わったんです。だから、リノベのテーマも先のことは考えず、「今の自分が欲しいモノ」「今良いと思うこと」を大切にしました。もし将来、もっと広い部屋が必要なったり、不便が出てきたりしたら、それはその時に考えればいいかなって。
―現在はお父様と同居されていますが、当初からお一人暮らしを想定していたのですか?
Y様:父は父で「いずれは実家を売って、どこか別の場所に住もうかな」と言っていたので、当初は「いつ一緒に住むことになっても良いように、お父さんのスペースも用意しておくね」くらいのゆるい想定で考えていました。結局、私のマンション購入と父の実家の売却のタイミングが合ったので、最初から一緒に住んでいますが、お互いに同居を前提にしていたわけではなかったです。父も、ずっと一緒に住むつもりという訳ではなく、「いつ出て行ってもいいし」くらいのスタンスです。
▷ミニマリストなお父様の寝室は躯体表しの壁がアクセント。北側に位置する部屋ですが床暖房を入れているので冬もポカポカ
―なるほど。フルリノベをするつもりで家探しをされたのですか?
Y様:まったく!当初はリノベーションのことも知らず、それこそリフォームとリノベーションって何が違うのか、というとことから勉強していく感じでした。何を基準に物件を選べば良いのかもわかりませんでした。ただ、新築マンションは一度内見して全くときめかなかったので候補から外しました。その後、リノベ済みマンションを見たのをきっかけに、手探りでリノベのことを学んでいきました。中古マンションを買ってリノベをした友人から「リノベをするなら立地や広さなどの条件で選ぶといいよ」とアドバイスをもらい、実家よりも駅近だったこのマンション内で希望の広さの部屋を見つけ、購入しました。
▷担当の岡野とリノベーション当時のことを談笑するYさん
―EcoDecoとの出会いは?
Y様:マンションを購入後、リノベの依頼先を調べている時にEcoDecoさんのwebサイトを見つけました。特に岡野さんのブログが勉強になりましたね。リノベに向いている物件の選び方という記事を読んだ時は、「もっと早く出会っていたら一人で悩まずに済んだし、もっといい家が買えたかも」と、欲張りな気持ちが芽生えたことを覚えています(笑)。事例も好みだったので連絡をし、オンラインミーティングをしていただきました。画面越しでしたが、即決で岡野さんに依頼しましたね。
―何か決め手はありましたか?
Y様:数件の会社にコンタクトを取る中で、きっと長いお付き合いになるので、担当者さんとの相性が大事だなと感じていて。その意味で、岡野さんのコミュニケーションの塩梅というかスムーズさがよかったのだと思います。それと、単純に「都内のみで千葉は対応外」という会社さんもあった一方、EcoDecoさんは海浜幕張でも快諾してくださったのも決め手でした。
▷Yさんにとっての食事の場所であり作業台でもあるカウンターは、1.5mを超える大判サイズで、使い勝手がいいそう
―実際に依頼されていかがでしたか?
Y様:本当にEcoDecoさんにお願いしてよかったです!実はリノベをするにあたって父にはほとんど相談していないんです。周りにリノベをした友人も少なかったので、相談相手がいなくて大変でしたが、いつも岡野さんが絶妙なタイミングで導いてくださったので本当に助かりました。「何か困っている時は相談してくださいね」というのではなく、会話の中で自然と選びやすい流れにしてくださるというか。「これとこれで迷ってそうだな」と察してサッと具体例を提示してくれたので、すごく進めやすかったです。
岡野:そう感じていただけたならよかったです。
Y様:家にまつわるすべてを自分で決めなくちゃいけないのは、精神的にも体力的にも大変でしたが、それ以上に楽しかったですね。浴室やキッチンのグレードから、照明、コンセントの数や位置、タオルをかけるバーや水栓などのパーツに至るまで、すべてを自分で選んで決められるなんて思ってもいなくて。もし新築マンションを購入していたら「最初から用意されて当たり前」で、その楽しさを知らないままだったと思います。できることならもう一回やりたいくらい楽しかったです!その時は物件探しからEcoDecoさんにお願いしたいです。
―ショールームなどには足を運びましたか?
Y様:浴室やトイレはTOTOやLIXILのショールームに行きました。洗面ボウルはTform、キッチンの照明やカーテンはtoolboxに見に行ったかな。トイレはこのTOTOのネオレストにするか、もっと低価格のモノにするかで悩みましたが、妥協せずにこれにして正解でした。
―すっきりとして掃除がしやすそうです。
Y様:そうなんです。毎日使うモノには投資した方がいいんだなと日々感じています。掃除がラクだと綺麗な状態を保てますし、閉じた時の丸い形が好みなので、トイレに入るたびに「かわいいな」と思っちゃいます。トイレなのに(笑)。
▷お気に入りのTOTOネオレスト。トイレは猫ちゃんが入ってこないので唯一花を飾れるスペースです
▷造作の洗面台。ミラーは収納タイプ、タイルはYさんがDIYで貼り付けました
―他に気に入っている部分はありますか?
Y様:実家ではなかなか叶わなかったことを実現できたのがよかったです。たとえば広い洗面台。朝、髪を濡らして寝癖を直すので、水ハネの心配がないくらい大きな洗面ボウルがよかったんです。グローエの水栓も使いやすくてパーフェクトです!
▷玄関を入って右手にお父様のお部屋があります。扉もありますがふだんから開け放していることが多いそう
▷脱衣室には猫用トイレ置き場を作りました。洗濯機の横にあるのは、フレッシュサービスのランドリーバスケット。センスの良さが光ります
―洗面も広いですが、玄関周り全体が広いですよね。
Y様:狭くて暗い玄関にしたくなかったので、広くしたいとリクエストしました。家全体も広々とさせたかったので、なるべく扉や壁も少なくしています。それと、作業のしやすい広いテーブルがほしくてカウンターテーブルを造作してもらいました。我が家は親子で食卓を囲むというライフスタイルではないので、一人でサッと食べられる場所があれば良いかなと思いカウンターにしましたが、これがもう万能!食事をするのもくつろぐのも、ほぼここですね。
―お食事以外にはどんなふうに過ごしていますか?
Y様:リビングの壁にプロジェクターを投影して海外ドラマを見たり、iPadでイラストを描いて遊んだり。お菓子を作るのも好きなので、混ぜたり伸ばしたりの作業にも便利です。仕事から帰ってくるとほぼずっとこのあたりにいますね。
―お父様と一緒にくつろぐこともありますか?
Y様:父とは生活リズムが違うので、食事も別々なんです。仲は良いので二人で駅前の居酒屋に飲みに行くこともありますが、基本的には顔を合わせる時間は少ないです。平日は私の帰宅が遅いので父は先に食事を済ませています。反対に休日は私がゆっくり寝ていて、父は朝からゴルフや運動に出掛けていることも多いです。今日も朝からスーパー銭湯に行っちゃいました。
―Y様ご自身の寝室も広さ重視であえて仕切らなかったのですか?
Y様:当初は棚を置いて仕切ろうかなとも考えていましたが、実際に寝起きしてみると適度にプライベート感もあるし、朝、先に起きた父がキッチンに立っていても気付かずに眠れているのでこのままでいいか、と。
―畳ベッドでお布団が丸見えじゃないのも良いですね。
Y様:以前は和室で寝起きしていた父から畳ベッドがいいとリクエストがあって、じゃあ私もそうしよう!と。床に布団を敷くよりも寝起きが楽ですし、朝はパッと畳むだけで気楽なのもいいです。リノベを考えたきっかけ同様、このベッドも「今の自分が欲しいモノ」のひとつですね。
▷IKEAのキャビネットをベースに。好みのシンクや水栓、食洗機などを組み合わせています
▷カウンターで使っているハイスツールは、HAYで購入。座面が回転します
―積極的にDIYをされたと伺いました。
Y様:壁の下地と建具のオイル塗装、キッチンと洗面のタイル貼りをしました。友人や岡野さんも手伝ってくれましたし、特にタイル貼りは楽しかったですね。時間も手間もかかりますし、プロに頼んだほうが綺麗に仕上がるとは思うので、減額のためだけにやろうとすると大変かもしれませんが、私は手を動かすことが好きなのですごく楽しかったです!壮大な作品づくりをしている感覚でした。フローリングは引っ越し後何もしていませんが、メンテナンスは必要ですか?
岡野:特に必要ありませんが、革製品と同じように少し油分を足してあげるのもいいですよ。使用したオイルと同じシリーズからメンテナンス製品が出ています。私も自宅で植物に水をやる時に床にシミを作ってしまうことがありますが、これで拭くときれいに消えました。Y様の床は厚みのある無垢単板を貼っているので、もしもっとひどい汚れがついた時はやすりで削ってオイルを塗れば全然わからなくなります。その辺りのケアはやりやすいと思います。
Y様:なるほど。猫が床に吐いてしまった時も、今のところサッと拭くだけでシミにもならず綺麗ですが、もし跡が残った時はやってみます。
―DIYをしているとご自身でメンテナンスをする時にも役立ちそうですね。
Y様:そうですね。でも、それ以上によかったのがこの家の成り立ちを理解できたことです。たとえば下地を塗ることで壁の構造を理解できましたし、もっと遡るとスケルトンの状態を見て、どういう順序でこの部屋が造られているのかを分かっているんですよね。それって大きな安心感に繋がるんだなと後から気づきました。この部屋の引渡しを受けてすぐに岡野さんと内見に来てハンマーで壁を叩き壊しながらプランを相談したときの光景は忘れないです(笑)。丸裸状態からフルリノベーションできたからこその満足感だと思います。
▷愛猫のミュウちゃん。冷蔵庫の上やベッドの下などに隠れつつも、何度かカワイイ姿を見せて撮影チームを和ませてくれました
―猫ちゃんは何歳ですか?
Y様:今3歳です。コロナ禍で人があまり外に出ない時期だったせいか、近所で野良猫が繁殖していたみたいで、実家の庭にいたのを拾いました。水槽にいる亀は初めて飼ったペットです。高校生の頃に縁日で持ち帰ってそこからずっと元気に育って。室内に放し飼いにして飼っている人もいるみたいですが、うちは基本的にはこの水槽の中で飼っています。
岡野:今日は天気がいいのでベランダで甲羅干しさせても良さそうですね。
▷高校生の頃から飼っている亀はかなりの大物!猫ちゃんのイタズラを避けるため、吊り下げられない観葉植物は浴室に
Y様:たしかに!あまり外には出していなかったけど今度出してみようかな。
―ベランダからの眺めも良いですね。
Y様:マリンスタジアムに上がる花火が見えるんですよ。これからの季節、夜はソファごしに花火を眺めるのも楽しみのひとつです。
―座り心地の良さそうなソファですね。
Y様:引っ越しを機にずっと欲しかったリーン・ロゼのものを購入しました。家の中での定位置はキッチンカウンターですが、夕食後、家事がひと通り落ち着くとこちらに座ることが多いです。居心地が良すぎて気づくと朝、なんてこともしょっちゅう(笑)。猫が占領していることも多いので、そんな時は、私は床に座ってクッションやパフでくつろいでいます。
▷「Layout(レイアウト)」で購入した小さなラグは玄関ホールにある全身ミラーの前に
▷クローゼット内に収納家具や衣装ケースはあえて置かずにすっきりと整理整頓しています
―クッションもラグも可愛いです。少しずつ買い集めているのですか?
Y様:父が実家を売却した際に、物を処分する習慣がついたものの、買い物も好きで…(笑)。最近はラグを集めています。中目黒にあるレイアウトというお店がお気に入りで、行く度に1枚ずつ買っています。小さめのラグをたくさん並べてパッチワークみたいに敷きたいなと思っています。
―おうちの雰囲気にも合いそうで良いですね。
Y様:ただ、猫って新しいモノにすごく興味があるみたいで、このラグもソファも置いた瞬間に身体をすりつけて自分のニオイをつけたり、爪でガリガリしたり(笑)。数日で飽きるんですけどね。ラグはウール素材だから爪で引っ掻いても大丈夫とお店の方から言われたのでホッとしています。
▷リビングの一角にご自身の畳ベッドを設置。クッションの置き方が上手で、小上がりのような雰囲気
―リノベ後、暮らしにどのような変化がありましたか?
Y様:まったく変わりました!平米数では実家のほうが断然広かったものの、スペースがある分モノも多くて、何をするにも限界がありましたが、今は自分が望んだ家に、自分が好きで集めたモノを置いているので、家にいることがもっと好きになりました。
―お仕事はオフィスに出勤されているのですか?
Y様:はい、都内で働いています。なので、平日は家に帰ることが楽しみですし、休日はほとんど家にいるようになりました。そう思うともっと早くやればよかったくらい! 掃除もこまめにするようになりましたね。家がコンパクトになった分、掃除が楽なんです。
―これからどんなふうにアップデートしていきたいですか?
Y様:キッチン横にデスクを置いてミシンやアイロンがけのできる趣味のスペースを作りたいな思っています。ただ、このキッチンカウンターが万能すぎてなかなか進んでいません(笑)。
―この引き出しには手芸道具が入っているのですか?
Y様:ここにも入っていますが、布類はクローゼットに収納しています。実家を売却する際にほとんど処分したので、実は以前の家から使っていた家具はこの引き出しだけ。だから私の引っ越し早かったですよ(笑)。段ボール50個だけ。新調した畳ベッドは直接配送でしたし、最初は冷蔵庫もなかったですし、ソファやスツールも引っ越し後に買ったので。
―なんて軽やか! 手芸ではどんなものを作るのですか?
Y様:最近はキッチンの照明にシェードをつけようかなと、ビーズのパネルづくりを練習中です。パネルをいくつか繋げて大きくしたらシェードになるかなって。マクラメ編みでニットのシェードにするのもいいかなとイメージしています。
―また雰囲気が変わりそうで良いですね! 今日はありがとうございました。
▷さりげなくも渋い存在感を放つ熊と鮭の置物。実家から持ってきたモノの一つです
アクティブなお父様は取材当日も朝からお出かけで不在。その自由な距離感にお互いがそれぞれの生活を楽しみながら、心地良く暮らしていらっしゃることが伝わってきました。お菓子づくりがお好きだというY様。取材後は、グルテンフリーの自家製レモンケーキをご馳走になり、おいしいひとときをご一緒できてうれしかったです。
↓Y様邸の画像をまとめてご覧になりたい方はこちらから(Pinterestのサイトへ移動します。)
リノベーションの設計では、コンセントの位置や照明計画なども細かく確認して住む人の生活スタイルに合った計画を心がけています。今回もそのような電気設備の計画や、洗面台の位置、猫トイレの事など、Y様の暮らしに合わせたリノベーションができたと思いますが、打ち合わせ中に、何を、どのくらい、どこに置くか、といったより具体的な生活シーンのシミュレーションは設計側では関知しきれないため、ご本人にお任せすることがほとんどです。
Y様の場合、設計中はベッドスペースの横に目隠しを兼ねたキャビネットを置くことなども話しながら間取を決めましたが、今はそのような家具がない状態でも支障なく快適に生活されており、それが示すことが設計としての立ち位置なのだと感じています。打ち合わせ中に施主と共有した暮らし方はあくまで可能性の1つであり、実際に生活を始めてから気付くことも多い。そして、暮らしながら足し引きできる必要最低限の計画の先には自由な暮らしが選択できる。そんなことを考えさせられる事例になったと思います。
不動産探しから施工まで、リノベーションに関するあらゆるご相談に、幅広くお答えします。リノベーションコーディネーターが無料個別相談会を行っていますので、お気軽にご予約下さい。まずは、じっくりとお話ししてみませんか。
ご予約はこちらから