なぜ団地に魅力を感じる人が増えているのか?−団地をリノベーションすることの魅力って何?
団地リノベの事例をいくつか知っていく中で、湧いてきたのがこの疑問でした。私自身、団地に対してはこれまで「古い」「狭い」といったイメージしかなく、なぜその人たちにとって「団地を買うということ」が魅力的に映るのか、知りたかったのです。そこでまずは、中古団地を含めた中古マンションのリノベーションが注目されているのかについて調べてみました。そうすると、大きく2つの社会の変化があることがわかりました。
一つめは、家族の形が多様化していること。これまで「標準世帯」と言われる、サラリーマンの父と専業主婦の母、そして子どもが2人というのが、日本の家族の主流と言われてきましたが、今、若い世代の未婚率も増え、生涯未婚率が男性で20%、女性の10%になっています。(※出典参照)
このように結婚をしないという選択肢を取る人が増えているとともに、結婚した人でも共働きをするという人々が増えていて、早くから子どもを保育園に預けながら子育てと仕事を両立する家族も多くなっています。そのような未婚の方や共働き世帯の方たちにとって、標準世帯に合わせた間取りになっている新築マンションや戸建てではなく、自分の今のライフスタイルに合った「中古リノベーション」が魅力的に映るのかもしれません。
もう1つ、とりわけ団地リノベを選択している人が増えている理由に、団地の持つ「安心なコミュニティ」を必要としている人たちが増えていることがいえます。共働きの子育て家族では、周りに頼れる親類もいなければ、友人もいない状況にある「孤育て」状態にあると言われています。一昔前であれば、両親と同居していることで子育てを祖父や祖母に頼ることができていました。また母親が専業主婦であることでどうにか子育てが成り立っている場合もありましたが、今は両親とも働いている場合や、シングルマザー・シングルファザーが増えているという家庭環境の中で、子育てをすることはとても難しい状況にあります。その人たちにとって、日頃の子育てのストレスを共有できたり、子育ての人間関係が機能していたりするような団地コミュニティは、大きな魅力を持っている存在だといえるかもしれません。
(※以上の団地のコミュニティのあり方については『新建築』の第89号8号の別冊、「団地のゆるさが都市を変える」にまとめられています。)
このように、今「中古リノベ」や「団地リノベ」に興味関心を抱いて、実際に動いている人の背景には、このような社会の変化があったといえます。しかし、このような社会の変化があることがわかった一方で、「団地に魅力を感じる人はどのような想いを持っているのか?」という疑問は深まるばかり。「…もっと団地好きな人の個人的な想いを聞き出さないとこの疑問は解けない!」そう感じて社内を見渡した時に、見つけたのです。団地好きのEcoDeco代表谷島を…。
そんなわけで、今回は団地好きのEcoDeco代表・谷島に、なぜ団地に魅力を持つようになったのかについて聞くことにしました。
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