団地マニア

どうして団地マニアになったんですか?

団地とは縁遠かった!?谷島の生い立ち

—今日は団地マニアの方へのインタビュー、第1回目ということで、EcoDeco代表であり、団地マニアのコンテンツを業界に先駆けて立ち上げた谷島に、団地に対する様々な想いを深堀してお聞きできれば、と思っております。よろしくお願いします。

谷島:よろしくお願いします。

—最初に団地マニアになるきっかけについてお聞きしたいのですけど、生まれ育った家はどのような家で、どのような環境で育ったのでしょうか?

谷島:佐賀の田舎出身で、元々は戸建てに住んでいました。友達の多くも戸建てに住んでいました。幼少の頃は、マンション自体が珍しく、駅前にポツポツと建つマンションに住む人たちは、お金持ちの人たちか転勤族の人たちが多く、近所には、団地もなかったことから交流も皆無で、高校卒業まで過ごすことになりました。

—なるほど。その後大学で福岡に行くことになると思いますが、そこでは所謂普通の物件に住んでいたのでしょうか?

谷島:そうです。学生時代は初めての一人暮らしということもあり、親のアドバイスに従い、大学に近い場所やできるだけ新しい物件を選びました。そして親戚が近くに住んでいたということも決め手になった普通の物件でした。

—なるほど。それから社会人になって会社を創業することになっていくと思うんですが。その時の状況は?

谷島:4年半地元の会社で働いて、26歳の時に上京、また一人暮らしをスタートすることになったのですが、30歳までに起業するという目標を達成するため、毎日終電まで働き、土曜日も仕事に行っていました。ハードに休み無く働いていたので、新築で駅近、オートロックのマンションを好んで選んでいました。当時は、毎日ヒール履いて仕事に行っていたので、駅から近い方がいいだろうと思っていたし、休日の日曜は寝るだけ。だから機能的に物件選びをしていたかな(笑)今、考えると大通りに面した窓もあけれないようなマンション。ベッドを置けば、それだけで部屋が埋ってしまうような狭い空間によく住んでいましたね。

—なるほど。今のリノベ好きで団地マニアの谷島さんとはかけ離れてますね笑

団地妻として団地に住むことになって

▶︎谷島がかつて住んでいた団地の様子。緑に囲まれていい感じですね!

—その後ご結婚なされてから、駅近、新築だけど寝に帰るだけのマンション暮らしから、ご主人の社宅である団地に住むことになりましたが、引っ越した当初のお気持ちはどうでしたか?

谷島:ちょうど起業したばかりの頃でお金もなかったので、他の選択肢もないのですが、すごく都落ちしたような感覚になって「嫌だーっ」 って主人に愚痴ってばかりいました。

—ははは。

谷島:移り住んだ最初は、団地というだけで、何も知らないくせにネガティブなイメージがあったから、団地の前に住んでいた荻窪にすぐ「帰る」と言ってましたね。

—なるほど。そのネガティブなイメージってどういうものだったのでしょうか?

谷島:狭かったり無機質だったりっていう、団地の建物自体へのイメージだけじゃなくて、コミュニティの煩わしさというイメージがありました。たとえば休日の定期的な掃除に関しては、子どもがいないのでわざわざ早く起きる理由もないし、コミュニティの人との付き合いで掃除をするのは、煩わしいものでしかなかったですね。特に、それまでが、隣に住んでいる人の顔も知らないような環境に居ましたので。

—それが住み始めて以降、気持ちが変わっていったのですか?

谷島:変わっていきました。団地に引っ越すまでは、とにかく働いてマンションに寝に帰るだけの生活。夜中にマンションの目の前にあるコンビニでご飯を買って帰って。当時は、気付いていなかったけど相当ストレスが溜まりますよね。そもそも窓もあけられないような、小さな窓の部屋って切なくないですか?

—そうですね笑

谷島:確かに、利便性はいいけれど、目の前は、環八(幹線道路)。窓を開けると車の音と排気ガス。布団どころか、洗濯物も干せないし。それが普通のことだと思ってたんです。でも団地に入ってから休みの日に布団をパンパーンとベランダで干したりとか、目の前の公園で子どもが遊んでいる様子を眺めたりとか、四季折々の様子をベランダから眺めたりとか。そうやって季節や日々の天気を肌で感じながら住むことで、人間らしさを取り戻していけたような気がします。

—面白いですね。団地を通して人間らしさを取り戻していった笑

谷島:そうなんです(笑)

—団地のような緑豊かな環境で、子どもが元気よく遊べるような豊かなコミュニティを皆で作りあげていくっていうのは、一周回って今の子育て世代にとって必要なことかもしれないですね。

谷島:団地に住んでいた時の私は子どももいなかったし、まだ独身の頃の生活を引きずっていともありコミュニティに入りづらかったけど、ママさん同士の横の繋がりは大きかったかなと思います。1階に団地のボス(笑)が住んでいて、いつもその部屋に子供達が集まっていて、基本そのお家の玄関は開かれていました。私は、3階に住んでいたのでその家の前を毎日通っていました。よく、お母さんの子供を呼ぶ叫び声が聞こえていましたが、それも懐かしい(笑)

—賑やかな環境だったのですね。その他にもコミュニティを意識するようなことはありましたか?

谷島:そうですね。団地の横にはそれぞれの家庭菜園スペースも用意されていて、子供達が野菜を育てていました。我が家のスペースは、利用する事はなかったので、寂しく空いていたと思います。最初は、ちょっと距離を置いていたものの、ある日、ママ軍団に呼び止められて、あと一人生協で加入すれば、宅配が安くなるとかで、一緒に生協に加入しました。それをきっかけに、団地の人たちとの交流がちょっとずつスタート。月に1回、団地の朝掃除があるので、半強制的に絆は深まって行きます。夕方になると、団地の中を「カンカンカンカン〜」という音が鳴り響くのですが、お風呂がバランス釜。たぶん年期が入ったもので、何回も回さないとお湯が沸かなくて、団地内に同じような音が鳴り響くのだと思います。ノスタルジックだけど、人の生活音ってやっぱりどこかホッします。今家族で団地に住み始めるのなら、結構心強いのかもしれません。

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