※当社代表の谷島の著書、「ビギナーのための賢い家のつくり方 中古を買って、リノベーション。」ではリノベーションを前提とした物件探しの注意点から、ローンの組み方、リノベーションの注意点まで詳しく書かれています。今回のインタビューを構成している過程でも、谷島の本を参考にさせて頂きました。リノベーションへの想いや、団地リノベの注意点も書かれています。おすすめです。
—なるほど。それでEcoDeco立ち上げと同時に、団地マニアというコンテンツを立ち上げたということですが、それはどういう経緯だったのでしょうか?
谷島:今、ニュースをみれば、老人の孤独死であったり、空き家の問題であったり団地に対して、私のようにネガティブなイメージを持っている人たちが多いと思いますが、実際に団地に暮らしてみると、忘れかけていた人間らしい暮らしを取り戻すことができました。当時は、社宅だったので勝手に内装をいじる事はできなかったけど団地の内装を自分好みに変えることができれば、もっと心地いい暮らしができるんじゃないかなと思って。そのことを多くの人はまだ知らないから、この団地マニアを通して伝えたいという気持ちがあり立ち上げました。
—団地の魅力を打ち出すと同時に、団地の内装をリノベーションして変えていくことも含めた形で、EcoDecoでサービスを提供しようとしたんですね。
谷島:そうです。けど実際には周りには凄く反対されて。団地は安いので、周りの不動産業者の先輩方から「なんでそんなわざわざ安い物件に手を付けるんだ」「もっと効率的に高い物件を狙った方がいいんじゃないか」と言われたりして(笑)。
—なるほど。
谷島:その時いたスタッフにも、「団地ってイメージ悪いからやめた方がよくないですか?」とか「団地マニアのコンテンツは目立たないようにホームページの下の方がいいんじゃないか」とか、攻防もあったのですが、団地の暮らしの心地よさを伝えたいという思いが強く、団地マニアを打ち出したいという気持ちは譲れませんでした。
—今やっと団地リノベが注目され始めていますが。そのときは逆風があったんですね。
谷島:そうなんです。なにせそのとき、不動産業界の先輩方には、名前でもなく、社名でもなく「団地妻」と呼ばれていたくらいでしたから(笑)
—それは凄い笑
—そのようなかで、EcoDecoを利用して東陽町の団地をリノベした、団地リノベ第一号のお客様が現れることになりますが、そのときの経緯を教えてください。
谷島:EcoDecoのホームページを見つけて、それで団地マニアを見て、自分も団地に住みたいな、団地っていいじゃん、と思って頂けたんです。それでそのお客様と内見に行った帰りに、団地の裏の公園のベンチで団地を眺めながら、「団地っていいね、団地をかっこよくする人を増やしたいね」とお客さんとアツく語り合ったのを今も思い出します。
—めちゃくちゃアツい(笑)
谷島:この東陽町のお客様を通じて、団地の良さを再確認、そしていろいろな反対もあったけど、団地マニアを打ち出して良かったと思いました。お客様だけど、同じ想いを持てる仲間のような感覚です。特にこの東陽町のお客様は小さいお子さんがいたから、遊ばせるのも裏に公園があるから不安もないし、育児仲間もたくさんいることで、引っ越し後も快適にすごされています。だから改めて団地リノベ暮らしは、育児世代にとってはおすすめだと思いました。
団地をかっこよく住みこなす〜団地マニアな人々〜
インタビュー中の話題にも登場した、EcoDeco団地リノベーション第1号の江東区の団地にお住まいのYさんのおうちに、リノベーション半年後にお邪魔しました。インタビューと共に、「ビフォー」→「アフター」→「ご入居半年後」の変化をご覧ください。
—今改めて、団地暮らしが育児に最適だという想いを持った方が多くなっているように感じます。団地暮らしが育児に最適だと思う点はどこにあると思いますか?
谷島:一つには、団地の敷地内に公園があること。普通のマンションだとマンション出たらすぐ車道で、怖かったりするんですが、一方で団地は敷地内に公園がたくさんあるから、子どもを走らせてもそういう心配がいらない。
—なるほど。
谷島:もう一つは、団地の持つ繋がりのあるコミュニティ。私の場合、ベンチャー企業で寝る間も惜しんで働いていたこともあり、私たちの世代で結婚している友人ってなんとなくですが、半分くらいで。さらに子どもがいる東京の友人は少ないかも。そうなると育児の相談をできる友人がなかなかいないんです。特に働きながらの子育てだと。皆、忙しい。だけど団地だと子育てをしている人が近所にいっぱいいて、団地の1階のボスじゃないけど、お互い助け合える。周りに同じような状況の人がたくさんいることは、孤独な子育てに陥らずにすむんじゃないかなと思います。
—そういう意味で団地のコミュニティは子育てを楽にさせることができるのかもしれないですね。
谷島:おじいちゃん、おばあちゃんといった子育てを助けてくれるような人がいればいいけど、いない人たちが結構多いじゃないですか。なのでそういう人は子育てならぬ、「孤育て」になってしまうので本当に大変なんです。
—そうですね。子どもが倒れたりすると共働きのお母さん、お父さんは本当に大変ですよね。
谷島:そうです。だけどそれはまだ良い方。子どもが倒れても、親が助ければいい、でもママが倒れたら誰が子どもの面倒をみるのか、ということもある。おじいちゃん、おばあちゃんに遠方から来て貰えればいいけど、そんな簡単ではないのが現状です。子供たちがもらってくるインフルエンザや嘔吐下痢などの感染症はの恐ろしいところは、大人がうつってしまって家族が機能しなくなるというような恐ろしい事態が待っている事。
—そうですね。そういう意味で普段のちょっとしたことで、団地の子育てコミュニティがあれば、「ちょっと子ども一緒に保育園に送りにいってもらえない?」って言えますもんね。
谷島:そうなんです。ちょっとしたことだけど、何かあったときには助けてもらえる。助けてあげられるという安心感は大きいです。将来のことを考えても団地リノベはおすすめ。
—逆に団地リノベに踏み切れない人ってどういう理由があると思いますか?
谷島:建物が古いゆえの耐震性の問題はあると思います。あとは、新築を探している人は、建物の好みの問題で団地は好きではないと思います。でも、私と同じように、団地ってなんとなくネガティブな感じ。と思っている方には、一度団地の素晴らしさを感じて欲しい。また、同じ築年数で中古マンションを探している人には、団地をおすすめします。緑豊かな周辺環境はとても魅力的です。
—なるほど。これで最後の質問になりますが、今団地リノベをおすすめする点を改めて。
谷島:前項にもあげている、心地いい暮らしができることに加え、もう一つは、資産価値があがる可能性があるということ。築年数が経過している団地ゆえ、実際に購入する際は、建て替えの問題も確認が必要。団地であれば、敷地が広くとられている場合が多いので、容積率を考えると、今、以上の規模の団地が新築されることも可能。余剰分を売却して建て替え費用を捻出すれば、自己資金無しでも立派な物件に住めるということもあり得るんです。
—なるほど。
谷島:東京エリアであれば、新築されると資産価値もあがります。実際に、団地で価値が跳ね上がった物件もあります。
—団地嫌いから出発して今の団地マニアに至るまでの谷島さんの団地マニアをお聴きできました。ありがとうございました。
谷島:ありがとうございました。
EcoDeco代表の谷島とのインタビューが終わってから、
「なぜ団地を魅力を感じる人が増えているのか?」という疑問に1つの答えを出せたように感じました。
団地好きといっても、人それぞれで団地に魅力を感じる点は様々であるように思います。ただ谷島の想いにあるように、子育て世帯にとって、子どもを伸び伸びと遊ばせたい、また子育ての悩みを同世代のお母さんたちと相談して共有していきたいという想いを持っている方たちは多いように思います。
そんな方たちにとって、団地リノベという選択肢は、すばらしい子育て環境と、自分たちの欲しい暮らしを実現できるリノベーションという選択肢を掛け合わせた、ベストな選択肢なのではなのだと感じました。しかし、まだまだ私自身、団地の持つ多様な魅力の一面だけしか見られていないのも事実。次回は、また違った面から団地の魅力に迫った記事を書いていきたい思います。
※当社代表の谷島の著書、「ビギナーのための賢い家のつくり方 中古を買って、リノベーション。」ではリノベーションを前提とした物件探しの注意点から、ローンの組み方、リノベーションの注意点まで詳しく書かれています。今回のインタビューを構成している過程でも、谷島の本を参考にさせて頂きました。リノベーションへの想いや、団地リノベの注意点も書かれています。おすすめです。
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